8年前に受け持った当時6年生の子たちが成人式を迎えるということで、同窓会に私も出席してきました。
私自身初めての経験でした。
お誘いが来たときには嬉しかったのですが、すぐにこわいような気もしてきました。
今時の二十歳の子たちに囲まれて、大丈夫だろうか?
相手にしてもらえるだろうか?
話が合うだろうか?
そんな不安を抱えながら、いざ会場へ。
「先生!?」
「…!」
「あ~やっぱり先生だぁ!!」
「…!!!!」
「先生、全然変わってないですね~」
私は,子どもたちに会った瞬間,言葉が出ませんでした。
出ない理由は,
久しぶりに会えたうれしさで胸がいっぱい。
その成長ぶりに驚き。
…半分の子は,パッと見だれだか分からない(笑)
でも,あとからよくよく見てみると,話をすると,ちゃんとみんな思い出せました。
みんなあのころと変わらず,「先生」「先生」と慕ってくれてうれしかったです。
感心なことに,みんな入れ替わり立ち替わりでお酒をつぎに来てくれて,いろんな話をしてくれました。
こんなことができるようになるなんて,8年間で成長したんだなぁ~
本当に感心させられました。
もちろんそれぞれ通ってきた道や,今の立場は違いましたが,みんなそれぞれに「今,がんばっていること」や「将来の展望」を持っていました。
あの6年生だった子たちと,いっしょにドッジボールをしていた子たちと,お酒をかわしながら,仕事上の悩みとか,大学で学んでいることとか,話ができるようになるなんて・・・
それが何よりうれしかったです。
若者の就職難の時代ですが,なんとか強く生きてほしいと思っていましたが,私が思っていた以上に,たくましい子たちばかりでした。
なんて感心してばかりで,私は老けこんでしまいそうです。(笑)
学校の先生の特権の一つだと思いましたね。
子どもたちの同窓会に誘ってもらえて,こんな姿を見ることができるって。
無条件にうれしかったです。
会う前に心配していたことは,まったく的外れでした。
さて
子どもたちがよく語ってくれたのは,「6年生のときの思い出」でした。
先生が言ったことで今でも覚えていること。
先生に叱られたこと。
先生と笑った話。
あのときの先生にまつわるいろんなエピソードを持ち寄ってくれました。
聞くたびに恥ずかしくなる思いでしたが,中には
「そんな小さなことを覚えてるの!?」
なんてこともあって,驚かされました。
駆け出しのころに受け持ったクラスで,今思えば大変不器用で理不尽な学級経営をしていたと反省したくなる面もたくさんあり,思わず
「あのときはごめんねぇ」
なんて20歳の子たちに頭を下げてしまいました。
でも,熱意だけは受け止めていてくれたということかな?
教え子の胸の中に,なにかしら,あのときの先生としての自分が残っている。
それは,自分が先生として確かに仕事をした,子どもに教えたという証と言えるのでしょうか。
1年間子どもたちと向き合う中で,先生は山ほどのことを語り,教えているはずです。
その中でも,何が一人一人の子どもの中に残るかは,その子ども次第でしょう。
覚えていてほしいことを忘れてしまうこともある。
意外な一言を覚えていることもある。
そして,子どもの胸に留まった先生の教えは,大きく成長していく過程の中で,なにかしらの糧になったり,影響をもたらしたりする。
先生の期待とは離れて,子どもが自主的にその教えを解釈し,生かしていく。
そういったことを,今回の同窓会で実感として目の当たりにできたような気がします。
先生をしていて初めての経験でした。