3学期の始業式… は、もう10日ほど前になりますが、ちょっとその日のことを思い出してみようと思います。
長期休業明けに、子どもたちがどんな顔で学校に出てくるか、気になる所ですよね。
「学校が始まってうれしい!」
という顔をしている子がいれば、こちらもうれしくなります。
が、実際のところ
「は~ 始まっちゃったよぉ」
という若干沈んだ顔が見られるものです。
そちらの方が多いかも。
内心、先生もそう思っていますし(笑)
私は6年生担任。
それぞれにいろんな気持ちを抱えて、3学期の始業式を迎えていることだろうと察し、私自身もどんな顔で子どもたちと向かい合おうかと、あれこれ考えるものです。
6年生ですから、そんなに無邪気に冬休みの話をうれしそうにしてくる子もいませんし、
「先生、会いたかった~」なんて胸に飛び込んでくる子もいません。(笑)
だから、先生もやたらと
「ひっさしぶり~!元気だった?休みのとき何してた?お年玉は?」
なんてベタベタといっても、子どもには「ウザがられる」のかもな… なんて思います。
もちろん、3学期にのぞむ熱い気持ちは必要ですし、それは担任として、このあとの学活で、精一杯語るつもりですが、とりあえず、子どもたちと久しぶりに顔を合わせるそのときは、「当たらず触らず」ぐらいの雰囲気がいいのかな、と思ってました。
これまでも、高学年をもったときは、そんな程度でスタートしていました。
そして、始業式。
もうすぐ開式というとき、子どもたちは気をつけの姿勢で整列して待っています。
少し遠目から全員の顔を眺めてみました。
相変わらずきれいに並んで、動かず、感心です。
こうして、この子たちが全校の一番後ろで整列する姿も、あと何回なんだよな…
卒業か…
いい子たちだったな…
なんて、いきなり感慨深い思いがしてきました。
「いかんいかん。」
たかが始業式です。
いつもどおりいかなくては。
でも、この子たちにとっては最後の始業式か・・・
うーん、そう思うと最初の「当たらず触らず」作戦を変更したくなってきました。
「当たりまくってみよう」作戦に変更です。
私は、整列している子どもたちの列に前からずかずかと割り込み、久しぶりに会う子どもたち全員に、ちょっかいをかけていきました。
わざと足を踏み「あ、ごめん」
えりをキュッと持ち上げて「服装、大丈夫か」
頭をなでて「寝癖、大丈夫か」
顔をじーっと眺めて「起きてるか」
肩をもみながら「緊張するなよ」
ポケットをたたきながら「お年玉持ってきてないだろうね」
こんな、私の無意味でばからしいちょっかいにも、まじめな子たちは姿勢を崩さず、しっかりとだまって並んでいましたが、触られた子や周りの子はクスクス笑ってくれました。
冬休み明けの固かった顔が、まだ気の入らない顔が、じわっと温かくほぐれる感じがしました。
中には普段先生のそばにはあんまり寄りつかない子もいますが、その子たちにも構わずちょっかいを出すと、すごく照れくさそうな顔をしながら、やっぱり笑ってくれました。
この笑顔は、子どもにも私にも、初めての経験だったかもしれません。
「ウザがられる」かなと思っていましたが、意外にも、子どもたちは喜んでくれました。
そうか~
そうなんですね。
先生が思っている以上に、子どもたちは素直に先生に構って欲しい!
のかなぁ って思いました。
私が大人っぽく、いらぬ気を遣いすぎていたのかもしれません。
高学年だからといって、距離を置くことも必要かと思っていましたが、実際必要なときもあるとは思いますが、冬休み明けの一発目には、それはなかったようです。
今学期、もっと子どもとの距離を縮めてみようかなと思います。
メリハリをつけて、打ち解けるところは、こちらからどんどん歩み寄ってみようかと。
それがときに「ウザがられ」ようと、もうこの子たちと過ごせる時間は限られていますから、別に構いません。(笑)
みんなきちんと整列している始業式前の体育館の一番後ろで、うちのクラスだけが担任の先生のせいで、ざわついていました。