いわゆる
「何度言っても聞かない子」
っていますよね。
同じ問題行動を何度も繰り返す,手強い子です。
こんな子が表れたら,対応は大変なのですが,この子に変化が表れる日を楽しみに,気長に付き合っていくようにしています。
その付き合い自体を楽しむぐらいの,心の余裕をもっていたほうがいいですね。
さて
どうすればこの子に効果があるのか。
先生もあの手この手考えるところです。
何と言えば効くのか。
どんな風に言えば効くのか。
なにかしら飛び道具はないだろうか…
しかし,この子にとっては,先生の大抵の言葉は,もう聞きなれたものになってしまい,響かなくなっている可能性があります。
先生がやることは,もう心の内が見えてしまっていて,この子にとっては意外性がなく,「はっ」と思わせるにはインパクトが弱いものになっているんです。
では,その「意外性」からの「インパクト」を求めるべく,工夫してみることは価値がありそうです。
例えば
同じ言葉を,違う先生に言ってもらう!
という方法があります。
このときは「違う先生」にお願いする必要があります。
「先生,うちのクラスにどうしても聞かない子がいるんですけど…」
こんな相談やお願いをできるように,普段から同僚とはいい関係を築いておきたいですね。
「…と,あの子に言ってみてくれませんか。」
頼まれた先生としては,変な感じがするかもしれませんが,事情と依頼人の意図を飲みこんでくれる先生なら,上手にしてくれるはずです。
このとき,頼む側としては,その子の指導に「お手上げ」状態になっていることを,他の先生に示すような感じがして,情けない気持ちがするかもしれませんが,それは違うと思います。
なかなか改善が見られない子の指導を,「自分一人でなんとかするんだ」と意地を張るのは,必ずしも得策とは言えません。
自分がだめなら,複数でやる。
組織の力を借りる。
それが王道です。
自分が困っていることを他の先生に示したくない,隠そうとする先生ほど,度量が小さいと思います。
こんなときは,堂々と力を借りた方がいいです。
さて
この子は,いつもの人でなく「意外な人」から言われたものだから,「インパクト」を受けたはずです。
そして,「これは本当に直さなきゃ」と考えるきっかけになれば,効果ありです。
そして,もしこの子に少しでも変容が(悩んだ顔ですら)見られてたときは,そこですかさず担任がほめてあげましょう。
「お!やればできるじゃん!」
いつも同じことを言い続けた人が,いつもと違うことを言えるうれしい瞬間です。