小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

クラスが大きな行事にのぞむとき

2010-06-20 08:19:53 | 学級生活の攻略法

昨日,地区学校職員バレーボール大会があり,みごとに優勝してきました!

実は,私,4月に転任してきてすぐに「バレーで優勝します!」と勝手に宣言していたので,この結果にホッとしています(笑)

いやー,それにしてもうれしかった!

学校の先生たちが一つにまとまれる素晴らしい機会です。

さて

運動会,

学習発表会,

修学旅行,

七夕集会,

水泳大会,

陸上記録会,

書き初め大会,

なんちゃらかんちゃら集会・大会 ・・・・

学校にはいくつもの「大きな行事」があるものです。

「運動会」など,共通してメインとなる行事の他にも,「たこあげ大会」など,その学校独特の行事も多々あります。

子どもたちは楽しみにしている子が多いのですが,もちろん行事となれば,先生たちは企画・運営していくのに一苦労です。

そして,それにのぞむクラスも然り。

一年の間で,大きな行事に何度ものぞむクラス。

学級担任としては,

クラスとして,その行事にどれくらいの力を注げるかを判断する!

という冷静な目も養っていたいですね。

もちろん,すべての行事に100%の力を注げればいいのでしょうが,なかなかそうもいかないものです。

・授業の進呈との兼ね合いはどうだろうか

・行事の内容と,クラスの子たちの実態はかみ合っているだろうか

・その行事を特に苦手とする,配慮の必要な子がいないだろうか

・担任として,どれほど時間と労力を費やせるだろうか

・近く行われる他の行事との比重のかけかたはどうだろうか

こういったことを担任として十分に考慮して,今回の行事にクラスとしてどれほどの力を注げるかを判断するべきです。

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十分に力を注げる,注ぎたい行事だと判断すれば,クラス全体に元気をつけて,全力でのぞむといいでしょう。

七夕集会であれば,「学校一大きな七夕飾りにしよう!」と目標を掲げて,クラスみんなで作っていこうと計画します。

少し控え目な方がいいと判断することもあるでしょう。

そのときは,その行事に参加する中で,取り組む量やクラスのモチベーションを先生がうまくコントロールするといいでしょう。

できれば,子どもに気付かれないようにコントロールできるといいですね。

水泳大会であれば「一位でなくてもいい。自分の力を精一杯出す。それが大事だと思うんだ。」と,無理をしない雰囲気づくりから始めます。

子どもたちのことも考慮しないまま,なんでもがむしゃらに「やるぞー!いくぞー!」と突っ走る先生にならないよう,広い視野をもって大きな行事にのぞみたいですね。


「よくがんばったね!」と取り出すあの道具

2010-06-19 07:01:31 | 授業中の攻略法

5年生 算数「分数と小数の大きさ比べをしてみよう」の場面

分数と小数では直接大きさを比べることができないから,どうすればいいかその方法を子どもたちは考えています。

3/5 と 0.7では どちらが大きいでしょうか?

「え~」

「たぶん,3/5の方が大きいと思うよ!足したら8だもん!」

「数直線に並べられたらいいんだけどね…」

「どうすれば比べられるかなぁ 同じ数字なのにねぇ」

いろいろとみんな考えています。

すると,みちこさんがひらめいたようです。

みちこ「前の時間に,分数は小数や整数にして表すことができるってあったから…!あっ」

そして,もくもくとノートを書きだしました。

みちこさんは,普段はそれほど算数が得意というわけではありません。

あまり算数の授業で目立つ活躍をすることは少ないのですが,今日は集中した表情で取り組んでいます。

そして

みちこ「あ!できたかも!これで比べられるよ!先生!」

先生「どれどれ,ノートを見せてごらん」

みちこ「あのね,3/5っていうのは,わり算にすると3÷5ってことだったでしょ?これの答えを小数で出すとね,0.6になったの。ほら!だから0.7の方が大きい!ちがう!?」

とてもうれしそうです。

先生も,この見事な考え方に感心しています。

いつもなら大きな花丸をつけてあげるところですが,ここはそれでは足りないぐらいほめてあげたいところです。

ここでの活躍を大きく取り上げて,みちこさんには算数好きになってほしいです。

先生「すごい!よくできたね!ちょっとノートを貸してごらん…」

みちこ「…え?先生何するの??」

そして先生がしたことは…

よくできたノートや作品は,すぐその場でデジカメで撮ってあげる!

ということでした。

先生は「うんうん」と深くうなずきながら,みちこさんが書いた式や言葉を,カシャッとデジカメで撮ったのです。

先生「これはすごいぞ。保存版だ。」

みちこさんも,思わぬデジカメの登場に,すっかりうれしくなってしまいました。

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子どもにとって,自分の快心の作品やノートを先生がその場でデジカメに撮ってくれるというのは,とてもうれしいことでし,エキサイティングな感じがするのではないでしょうか。

これは,丸つけをする,発表させる というオーソドックスな賞賛の形から一歩発展した,今どきの形とも言えるかもしれませんね。

何より,とても手軽だし,何度でもできます。デジカメは優れものです。

「その場で」ということも大事でしょう。即時に評価してあげることで,子どもの意欲は高まります。

撮ったあとの画像は,実際にテレビやスクリーンに映し出して,その後の学習に生かすこともできるし(そうすれば,みちこさんはまたうれしいでしょうし),そうする機会がなくても,「先生が保存している」ということだけでも十分でしょう。

しかしこの方法も乱発しすぎてしまうとマンネリ化してしまう恐れがありそうなので,ここぞといった特別な場面で使用するといいでしょう。

※ちなみに,数日経ってから「先生,私のノートの写真は?」と聞いてくるつわものもいますので,そういった写真用のフォルダを作っておいて,ちゃんと入れておくことをお勧めします!


学級PTA 熱弁してるのに保護者の表情が暗い…?

2010-06-17 18:55:25 | 保護者への攻略法

今日は,クラスの学級PTAです。

学校によっては,保護者会と言ったりもします。

学期始めや終りに,学級の保護者の方々が集まって,担任の先生と学級経営について話し合う場です。

私は若い頃,と言わず今でもですが,この学級PTAでは緊張しました。

普段は小さな子どもたちの前でえらそうにしているのが先生ですが,いざ大人をズラッと目の前にすると,弱いものです。

この学級PTAでは,今後の学級経営の方針や,これまでの反省を述べます。

当然,学級PTAに来られた保護者の方々は,学校での子どもたちの様子を知りたいわけです。

そこで先生は,

「6年生という立場を考えて,行動する場面が増えてきました」

「男女の仲が深まってきたことを,うれしく感じます」

「授業では,真剣に考え,進んで発表する子が増えてきました」

「来月に迫った運動会に向けて,気持ちが高まっているようです」

「新学習指導要領を受けて変わった内容に関しても,理解を深めようとがんばっています」

などと,喜んでもらえるような話を,できるだけうまくしゃべろうとします。

が。

なぜか,こんな話を聞く保護者の方々の表情が冴えません。

先生もずいぶん話の内容を考え,事前に準備して話しているし,数名の方は熱心に聞いてくれているようにも見えますが,多く方は,そこまで興味がなさそうにしています。

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・・・なぜ?

ここでは,保護者の方々が,こんな機会に聞きたいと思っていることを,もっと考えてあげなくてはいけませんね。

きっとこうでしょう。

保護者は,子どもの具体的な話に興味がある!

ということです。

上に示したような,先生の「あいまいな」話では,我が子の姿がよく見えないのです。

「『運動会に向けて気持ちが高まってきた』って,どういうこと!?」

と思っていることでしょう。

先生が,いかにも先生たちが使うような小奇麗な言葉で子どもの姿を表現しても,保護者にとっては,よく分らないのです。

だから興味がない。

先生側からすれば,学級全体のことを話そうとするので,話自体が包括的で,あいまいなものになってしまうのは仕方のないことかもしれませんが,そこを一工夫してみましょう。

できるだけ具体的な話をするのです。

「ある子が,運動会に向けて昼休みにかけっこの練習をしだしたんです。すると,それを見た多くのクラスメイトが,一緒にやろうと呼びかけました。今では,自分たちで日を決めて,かけっこやリレーの練習をしていますよ。頼もしいことです。」

なんて話をすると,いつもは学校にいない保護者の方でも,リアルに子どもたちの様子が想像できるでしょう。

コツとしては,クラスの現状を説明するのに,もっとも代表的な例となる場面を取り上げることです。

男女の仲が深まってきたことを伝えたい → 文集制作係の子たちの姿がよく表している →「先日こんな場面がありました。文集制作係の子たちが…」

という具合に。


「先生!ポケモン知ってる?」「うっ…」

2010-06-15 20:55:17 | 「教師-子ども」関係の攻略法

「先生!ポケモン知ってる!?」

「先生!NARUTO見た!?」

「先生!ブリーチ何冊持ってる!?」

勢いある子どもの質問。

子どもたちに流行りのアニメです。

アニメのもつ力はすごくて,人気のアニメは一気に子どもたちにトレンドや文化をつくってしまいます。

子どもたちの間でも,流行りのアニメに詳しいことはうれしいことで,逆に流行りのアニメに疎いことはまずいことですよね。

私たちが子どものころもそうでした。

で,これらの子どもの質問に対して,先生。

今さら子ども向けのアニメなんて知らないという場合。

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「え… 聞いたことはあるけど,知らないなあ。ごめん」

なんて,気の抜けた返事をしたとたん,子どもたちは「え~っ」と,一気に興ざめ。

その分野について先生と交流できないと分かると,やはり距離を近づけようとはしないものですよね。

先生にとっても,子どもが夢中になれる文化と全く無縁であるということが,仕方ないとも思いながらも,さびしさを感じるものです。

学校の先生とは,大多数の現代っ子に囲まれて過ごす仕事。

子どもに流行りのアニメキャラクターを,1~2個は覚えておく!

という努力をしてみましょう。

どんなアニメが流行っているのかは,普段の子どもたちの会話を聞いていればわかります。

それが分かったら,テレビでもインターネットでも我が子からでもいいです。

キャラクターを1・2個覚えましょう。

すると

「先生!ポケモン知ってる!?」

「おう,知ってるよ。やっぱり先生はポッチャマが一番お気に入りだな。」

「え~ポッチャマ!グレッグルの方が強いよ!」

「いやいやポッチャマだよ。ヒカリとのコンビが最強だよ。かわいいし。」

「確かにそうだけどさ~,もっといいキャラクターいるよ!例えば…」

「へえ~そうだよね。でも先生はポッチャマ。」

「あはは!先生変わってる~」

子どもたちは大喜びです。固いイメージが強かった先生とこんな話ができるなんて。

でも,会話を見てみると,先生はキャラクター一つしか語っていません。

実は,それしか知らないのです。

でもそれで十分です。

こだわりをもっている風にして語れば,そのアニメと携わっているような雰囲気になってくるものです。

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アニメに限らず,低学年ならヒーローもの,高学年ならドラマ,そういったところからほんのわずかでも情報を拾っておくことも,役に立ちます。


わざとその子から離れて

2010-06-12 08:34:33 | 授業中の攻略法

例えば、体育のマット運動の授業。課題は「後ろ回り」。

グループ活動を巡視している際に、Aグループが両手の平の形やマットへのつき方に注目し、練習方法を工夫しているのを見つけたとします。

この手の平については、後ろ回りを達成する大きなポイントの一つです。

ここで,Aグループのところへ先生が歩み寄り,個別に誉めることもできます。

だけど,せっかくの場面なので,ぜひクラス全体にも注意をうながしたい。

「全員、いったん練習をやめて・・・」

と、活動を中断して全体指導することもできるが、この集中して練習できているよい雰囲気まで壊したくないときってあります。

そんなときは

誉めたい子と一番離れたところへ移動し、そこからその子を具体的に誉める!

こんな場面では、思わずAグループの横で、小声で「いいところに注目したね。」と言葉をかけてしまいがちです。

そうではなく、あえて,Aグループから一番離れた場所に先生は移動しましょう。

そして,ちょっと不自然な感じがしますが、ぐんと首を伸ばしてのぞきこむようにしながら、Aグループを一番遠くから誉めます。

「Aグループ、両手の平に注目しましたね!そこはとても大事ですよ!どんな形をつくればいいか!どんなふうにマットにつけばいいか!見つけたら教えてね!」

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こうすることで、この話題は先生とAグループだけの話題ではなく、クラス全体の話題となります。

そして

1 他の子たちも「自分はどうだっけ?」と手の形を確認できる

2 形が悪ければ、先生に注意されたわけでもなく、自分で訂正ができる

3 きれいな形ができていれば、間接的に誉められたような気分になれる

4 Aグループは、みんなの前で誉められたようで、個別に誉められるよりうれしい

5 途中で活動を中断することなく、自然と教師がうながしたい注意をクラスに広められる

不思議ですが、先生が「みんな、手の形に気をつけましょうね。必ずこのように…」と、大きな声で指導するより、上のようにだれかに話しかけるような言葉の方が、子どもたちには届きやすものです。

コツは、こんな場面では、できるだけ具体的に誉めることでしょうね。

「すごいね~!」と誉めるだけでは、他の子にとったは単なる雑音。

意図的に、指導したいことを具体的に誉めることで、それはクラス全体を指導することへとつながります。