1時間たっぷり使って新出漢字の学習をした。
けど,次の日にはもう忘れてる。
なんて子どもがいたらがっかりしますよね。
けど,います。
先生「昨日勉強したじゃないか!ほら!ごんべんの!」
子ども「えぇ?やったっけ…??」
学習には,それぞれの子どもの得意・不得意,興味あり・なしなどの違いも大きくありますが,学習したことを覚えていくということは,やはり「どのように教えるか」「どのように覚えさせるか」が,かなり重要になってきます。
「教えたから,覚えるはず」なんてことは,ほぼありません。
子どもだけでなく,人は忘れていくものです。
先生の学習指導も,それを基本として,それと戦っていく姿勢でいたいですね。
記憶に関する研究は様々な分野でも進んでいるので,それを先生も知っておくべきです。
例えば,今日教えた「関」という漢字。
これは,H20にベネッセコーポレーションさん調べで,最も子どもが覚えにくい漢字の1つだそうです。
どうすれば覚えられるだろうか。
覚えさせたいことは,いろんなものとリンクさせる!
これが有効です。
未知のものを学習し,それを脳の中で孤立させておく状態では,なかなか記憶としてとどまりにくいということです。
未知のものでも,既存の他の情報とリンクすることで,記憶が強まっていきます。
この「関」という字。
どのように子どもの脳の中でリンクさせましょうか。
1.子どもがもっていそうな情報とリンクさせる。
「小島よしおが『そんなの関係ねー』って言うよね。それが実は,この字なんだね。」「そっかぁ」
「歴史で学習した『関東大震災』ってあったよね。ほら,この字が隠れてるよ。」
2.国語学習内でリンクさせる。
「ほかに門がまえの字知ってる?そうそう,それらの仲間なんだね。」
「この『関』を使った熟語を3つ調べてみよう。」
「この『関』を使った短文を5つ書けたらノートを持っておいで。」
もっと,いろんなリンクの方法が考えられそうですね。
こうすることで,子どもたちの中でも,未知のものであった「関」という文字が,自分の身近なものになってきます。
いろんな情報とリンクされて,記憶としての結びつきが強まるでしょう。