小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

「先生!キスマイって知ってる!?」「なにそれ?食べ物?」

2012-02-15 22:12:09 | 「教師-子ども」関係の攻略法

担任をしていると,今時の子どもたちの流行りがよく分かります。

男の子がはまるアニメ・ゲーム・芸人・スポーツ選手…

女の子がはまる歌手・ブランド・ドラマ・キャラクターもの…

いつの時代もそうなのかもしれませんが,子どもたちはこういったものに強く興味をもって,憧れて,友だちと競うようにやりとりをしています。

でも,最近は特にその傾向が強いのかな。

これも情報化の影響でしょう。

どこでも,いつでも,簡単に好きな情報を得られるから,子どもたちにとっても流行りなものが身近なものになり,そして流行りはすぐに過ぎ去り,また新しい流行りが出てくる。

それについていけないということは,危うい状況に陥ることのように感じる子だっているものです。

友だちとの距離が開いてしまうことにもつながりますから。

流行りに遅れないように,今の子どもたちは忙しそうですもんね。

その子どもの忙しさにかまってあげないといけないのは,周りの大人ということになります。

親は金銭的な面も担うことになります。

子どもの流行りが多様になればなるほど,大変ですね。

そして先生。

子どもは自分の流行りを先生にうれしそうに語ってきます。

「先生!『キスマイ』知ってる!?昨日テレビ見た!?」

「は?『きすまい?』それなに?人?食べ物?」

なかなか子どもの流行りについていけない先生も多いのではないでしょうか。

私も最近は全然だめですね。

前からテレビはあんまり見ない方だったのですが,長女が誕生してから8ヶ月。

一層テレビは見なくなり,聴く音楽は童謡一色になってしまいました。(笑)

だから子どもに言われても分からず,

「え~!知らないの~」

なんて呆れられてしまいます。

だからといって,子どもも本気で残念がるわけではなく,こちらが肩を落とすわけでもないのですが

子どもの流行りに興味をもってあげて,いろいろ質問してみる!

ということをしてあげると,一つのフォローになりますね。

正直『キスマイ』に興味はないんですけど,「へぇ~かっこいいグループなんだ。何人いるの?どんな歌うたうの?」

なんて,興味ありげに二三質問するだけで,子どもは「えーっとね!」なんて,それに対してうれしそうにまた話をかぶせてきてくれます。

先生は年だし,知らなくても不思議じゃないけど,その先生が自分の好きなものに関心を持ってくれた。

その感触が子どもにとってはうれしいものですからね。

子どもの流行りにつねについていくというは難しいこと(私にとって,今は到底無理なこと)ですが,だからといってそれを遠ざけようとしてはいけません。

子どもの流行りに耳を傾ける,そんな姿勢は保っていたいですね。

またこうすることで,テレビをあんまり見ない先生でも流行りに首の皮一枚つながっておくことができます!


叱り方… 失敗しました。

2012-02-13 22:00:58 | 「教師-子ども」関係の攻略法

今朝,クラスの男の子を叱りました。

なんのことで叱ったかは省かせてもらいますが,十分に叱るに値することで,少々きつく叱りました。

その男の子は,元気者です。

ユーモアもあり,普段から大きな声で歌をうたってクラスを盛り上げたり,新ギャグをつくってはうれしそうに私に披露しに来てくれる子です。

もちろん,私はこの子が大好きです。

この子も,私を慕ってくれてるのかな。

子どもとこんな関係が築けるのって,改めて学校の先生の幸せですね。

「そんなかわいらしい子を叱るなんて!」

と思われるかもしれませんが,こんなかわいい子でもしからなくてはいけないときはあるものです。

先生なら,子どもと接したことのある大人なら,百も承知だと思います。

私は,クラスの子たちの中で,その子を叱りました。

短く,ズバッと叱りました。

私の大きな声と,険しい表情に,クラス全体がビクッとしました。

そして,その男の子は顔を上げられないくらいしょげました。

すぐに涙を流し出しました。

自然と,クラスの子たちの中には,ちらっと,その子に目をやる子もいました。

それが,益々その子にきつく突き刺さったことと思います。

・・・この時点では,私は(これでいい)と思いました。

みんなの中で叱られ,辛さも感じ,深く反省してほしいと思って叱ったからです。

その後,もちろん長々とは叱りません。

「おしまい!」の一言で,クラスの雰囲気も元に戻ってきました。

その子はまだ顔を上げられず涙をぬぐっていましたが,それくらいは想定内でした。

もうしばらく落ち込んだら,また元気に戻ってくる子だと,この一年の付き合いから信じていたからです。

・・・・ところが,私の予想以上に,その子の明るい顔はなかなか戻ってきませんでした。

朝に叱って,一時間目,二時間目,そして三時間目までその子は落ち込んだ様子が変わりませんでした。

授業中も,授業にはのぞんでいますが,もじもじとノートを書くだけで,いつものように元気よく発表する姿はありません。

いつもとのギャップが大きいだけに,私もその子が気になって仕方ありませんでした。

叱った内容や,そのときかけた言葉,そういうものは間違ってはいなかったと自分でも思います。

でも,失敗があったとすれば,みんなの中で叱ったことでしょう。

私の感触からして,そう感じました。

男の子で,元気者で,打たれづよいと思っていた,思っていたというよりこれまでは確かにそうだったその子も,この場では違ったんです。

私が思っていた以上に,今,この子は感受性が豊かで,私との関係を大事にしてくれていて,クラスのみんなとの関係を大事にしていたのでしょう。

そう叱られるのは,とても嫌だったんでしょう。

(これは私が悪かった)と,心から反省しました。

個別に叱るか,全体の中で叱るか。

その子の性格,クラスの雰囲気,叱る内容,叱るタイミング・・・・

いろんな要素を瞬時に考慮して,どちらがいいのか的確な判断をできるようになりたいものです。

個別に叱った方が効果的な場合も,まずい場合もある。

全体で叱った方が効果的な場合も,まずい場合もある。

その子はお昼には元気を取り戻してくれましたので,またいつものように冗談を言い合うことができ,私もホッとしました。


附属小学校公開に行ってきました。クラスを留守に。

2012-02-11 10:05:04 | 学級生活の攻略法

昨日、附属小学校の研究公開に出席してきました。

年度末のこの時期、学校として出張費用を余らせるわけにはいかず、誰かをどこかへ派遣しなくてはいけません。そのコマになってしまいました。。。。

なんて偏屈なことを言ってはいけません(笑)

私の勤める学校でも来年度に大きな公開を予定していて、その勉強をしてこいということでしょう。

公開を見た感想。

予想以上におもしろかったです。

実は前年度も同じ附属小の公開に行っていて、そのときは期待外れだったのを覚えていたので、今年はどうかなぁって思っていたのですが。

(昨年は研究発表の会場で、1000人近い参加者のうち大半が眠っていました)

今年は見所があって、勉強になりました。

やっぱり提案していることが明確で、それが子どもの姿で表れている研究がいいですよね。

指導要領の「言語活動の充実」を受けた「ことば」「対話」をテーマとした研究でした。

附属の子だからしっかりしているというのもあるのかもしれませんが、子どもたちがよく「語って」いました。

それを支える先生たちも上手でした。

(さすが、夜中まで学校に残ってお仕事をされている附属の先生たちだ… 自分にはできん)

なんていらんことを思いながら。

さて

昨日はこのために丸一日クラスを留守にしました。

出張でクラスを空けるときに担任が思うことは共通して

「しっかりしてくれるかなぁ」

「なんのトラブルも起こすなよ!」

ってことですね。

出かけ間際に

「担任がいないからダラけるんじゃなくて、担任がいないからこそしっかりする。そんなクラスになるんだよ!」

なんて精一杯のことを伝えて。

クラスを留守にしてる時間に思うことですが

担任がいないときの姿を想像して、普段の学級づくりをする!

そんなことも必要だなと。

要するに「自立した学級」をいかに普段からつくれるかということです。

・学級生活をスムーズに流すシステムができている

・授業にのぞむ基本的な姿勢が全員に身についていてる

そんなクラスは、担任がそばで、あーだこーだ言わなくても、安心して任せられます。

普段からそれができていないのに、担任が留守にするそのときだけ子どもたちが、ガラッと変わるなんてことはありえませんから。

特にもう一年間も終了が見えてきているこの時期です。

留守を恐がるクラスであってはいけないはずですね。

・・・・・と言いながら、うちのクラスはどうだったのでしょうか


「1組vs2組」って競争,アリ?

2012-02-07 21:35:31 | 教師の仕事術の攻略法

引き続き学年主任の話です。

学年に複数クラスがある場合,ときにどうしても「比較」が生じるものです。

・運動会の学級対抗リレー

・学力テストのクラス平均点

・図書の本の貸し出し冊数

・「クラスが楽しいですか?」等アンケートのポイント

・クラスのお楽しみ会でどちらが盛り上がったか   ・・・・・

などなど,いろいろです。

正直,学級担任であればこれらの結果は,隣のクラスのものも気になるところですよね。

自分のクラスと比較してどうだったか。

「いやいや,子どもの実態が違うんだもん。比べるものではないよ!」

なんて声も聞いたことがあります。

それも一理あると思います。

でも,比べようなんて意識はなくても,自然と比べてしまうものではないでしょうか。

そして,肝心なことは,この「比較」が「競争」に発展してしまうかどうかということです。

「1組 vs 2組」 (これじゃ対決みたいですが)

という意識をもつようになるか。

それで学年経営の在り方は大きく変わってくるでしょうね。

私は思うのですが

学年主任は,適度な競争を学年内に生んでもいい!

いかがでしょうか。

これに関しては,反対意見も多そうです。

上の「比べるものじゃないよ!」的な見方の方が,先生たちには多いように感じます。

確かにそうすることで,穏やかな学年経営になりそうな気がしてきます。

各担任も仕事がしやすくなります。

子どもたちにもクラス間に隔たりを感じさせないようにすることができます。

そんな雰囲気が,学年経営にはやはり必要だと思います。

基本的には。

しかし,それだけでは物足りない。

物足りないというか,少し先生として頼りない感じが否めません。

担任として自分のクラスに絶対の責任をもち,最大の力を注ぎ,子どもたちを成長させていく仕事をする。

学年はそんな集団であることが理想的です。

そして,せっかく複数の集団があるのならば,お互いに刺激し合い,高め合っていくいい関係を築ければ,それはとても幸せなことです。

そこを目指す際に,ときには「競争」だってアリだと思います。

子どもたちは,勉強をし,スポーツをしているんです。

なにも競争が起きないのは,逆に不自然な感じすらします。

そこで,学年主任の役割。

「適度な競争」を見極めて,仕向けることです。

なんでも競争してしまう雰囲気は,息苦しくなるので避けたい。

学年のカラー,担任の個性,仕事のバランス,子どもたちの実態など,いろんなことを勘案して「これはいいんじゃないかな」という競争を見つけます。

そして見つけたら,確実に全担任と共通認識することです。

何も知らされないまま,実は競争になっていたなんていうのは,担任にとってはとても不愉快なことですから。

また,学年内の競争といっても2種類ありえます。

一つは子どもたちの競争。

子どもたちに「2組に負けないぞー!」とはっぱをかけてのぞむ運動会の長縄対決のようなものです。

もう一つは担任の競争。

子どもには知らせません。

担任の間で「よし,次の算数の単元テスト勝負しましょうか!」って感じです。

いずれも,明るい競争でありたいですね。

勝ち負けがでるものですが,だからといってその後に遺恨を生むことはない。

負けた方もその勝負に向けて努力したことは,クラスにとって大きな意味があることですから,いい経験です。


うちのクラスだけ置いてけぼり?

2012-02-05 22:08:29 | 教師の仕事術の攻略法

前回に引き続き「こんな学年主任いいなぁ」の話です。

学級経営には各担任のカラーが出るものです。

元気のある担任の元気のある学級。

知的な担任の知的な学級。

音楽好きな担任の音楽好きな学級。

こうして,自分のカラーをそのままクラスのカラーにしてしまえる先生っていうのは,ある意味,力のある先生なのかもしれませんね。

子どもたちを巻き込み,クラスを彩ってしまうリーダーシップがあるということですから。

逆に,クラスに彩りをもたせられない担任は,まだまだ力不足でしょうか。

もちろん必ず強烈な一色に染め上げなければいけないというわけはありませんが。

さて,同学年に複数のクラスがあったとします。

その場合,1組と2組と3組と・・・ の,カラーの違いが浮き彫りになってきます。

それは先生たち自身の目から見ては明らかに分かることですし,子どもたちの目から見ても分かるものです。

当然,保護者からも。

そのカラーの違い自体が悪いものとは思いません。

人の集団です。

どれも均等,均一になるほうが気味が悪い。

自然なことだし,それこそ学年経営のおもしろさととらえてもいいでしょう。

しかし,行き過ぎることはよくありません。

学年主任は,各学級のイベントにある程度のバランスをとる!

そういう役目をしてほしいものです。

学級のカラーは,毎日の学校生活のいたるところに表れるものです。

朝の会,授業,給食,清掃…

もっと細かく言えば

朝の会のあいさつの仕方,授業での手の挙げ方,給食の配膳のシステム,清掃にどれだけ精一杯取り組むか…

いろいろです。

学年主任とはいえ,こういった各学級の日常生活の細々としたところまでチェックをし,口をはさむわけにはいきません。

そこは各担任のセンスに任せて,いい経営をしてくれると信じて,見守ります。

(もちろん,あまりに目にあまるものがあればつっこみますが)

しかし,各学級のカラーが強烈に出て,しかも他のクラスと明確に比べられることになってしまうのが「イベント」です。

ここでいうイベントとは,

運動会の学級対抗リレー・学習発表会の舞台発表・2学期末の学級お楽しみ会・県ドッジボール大会への参加・3学期末に作る学級文集 ・・・・

そういったものです。

いわゆる,クラスが一丸となって取り組み,楽しい思い出をつくろうとするいくつかの行事のことです。

担任は,このイベントに熱意を込め,できるだけよいものを作ろうと必死になるものです。

「学級オリジナル」を目指して,工夫します。

こんな風にクラスのためにがんばる先生は,きっといい先生なのでしょうが,「行き過ぎる」場合があるんですね。

と同時に,中には「置いてけぼり」な学級も存在します。

担任があまりに頼りなくて,イベントに乗り遅れている学級です。

そういった「行き過ぎ」や「置いてけぼり」に気付き,バランスをとる役割にあるのが学年主任です。

そのイベントに関して,学年全体であまりに差ができすぎるのは避けたいものです。

何より子どもたちに嫌な印象を与えてしまいます。

「先生,なんで2組だけ今度の日曜日にみんなでプールに行くの?」

「3組,今度の音楽会で全員かなりのお金出して衣装をそろえるらしいよ…」

「他のクラス,陸上記録会の練習もう始めてるのに,うちのクラスだけまだなんにもしてないよね…」

ある程度の経験や,周囲に広く気を配れる担任であれば行き過ぎたことはしないものですし,置いてけぼりな学級は作りませんが,そうでない担任も少なくありません。

我が学級にしか目が行き届かず,学年全体のバランスまで考えられていない担任のために,学年主任がいつも「大丈夫かな」と,各学級の動向に目を光らせてあげたいものです。

そのために,毎週の学年会等で,行事の確認をするにとどまるのではなく,

「今度の七夕集会,みなさん一人何枚くらい短冊を書かせましょうか。」

「学期末でそろそろみなさんお楽しみ会なんて計画してるんじゃないですか。おおまかに出し合ってみましょうか。」

と,差が生まれそうな事項について事前にチェックを入れることも必要ですね。