小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

研究公開を振り返る 10 ~結局、公開をして得たものは~

2012-12-17 22:46:39 | 教師力UPの攻略法

衆院選は自民党が圧勝でしたね。

日本の教育をどうするのか、それが我々の一番の関心です。

少人数学級の実現は

教員の免許更新制度の今後は

教員の研修制度の充実は

教員の配置数の今後は

学力テストの実施は

高校、大学の授業料は

奨学制度は

これらのことは民主党時代、それ以前からも「あーします」「こーします」と言われ続けて、実現したりしなかったり、実現してはまた元に戻ったり。

現場は政治に振り回されている感が否めません。

これからの政治には、現場が本当によくなるように、確実で、丁寧な教育改革を期待します。

さて

研究公開について長く振り返ってきましたが、これでラストにします。

研究公開が終わってちょうどひと月ほど経ち、改めて考えてみます。

「研究公開をして、得たものはなんだったのか?」

指定を受けて、教科研究に関する大きな研究を本校は引き受けました。

校長をリーダーに、私たち本校職員は長い時間をかけて研究を進めてきました。

私はその活動の舵取り役を任されました。

多くの参観者を集め、研究を公開しました。

・・・得たものは

〇研究教科を中心に、本校の子どもたちの成長を見た

これが一番。

なはずです。

が、現実の話をします。

これだけじゃない。

〇指定をした人たちが、意図したものを得られて満足した。

〇指定を引き受けた校長が、役割を果たし安心した。

〇研究を進めた本校職員が、研究教科に関する研鑽を積めた。

〇研究を中心となって進めた私に、キャリアがついた。

〇この研究を見た外部の人たちに、刺激を与えた。

〇本校の今後に、今回の研究が何らかの布石を打った。

〇大きな公開をやり遂げた実績が、本校の保護者や地域の目によく映った。

思いつくままに挙げてみました。

中には、裏の部分をつつくような内容のものもありますが、それも実際だと思います。

研究に最も近い所にいたからこそ、私にはそれらが強く感じられます。

公開をして得たものに、いいも悪いもつけられないでしょう。

これが本当の話で、これが研究公開をする学校の味わうものだと思います。

学校が研究をすることは当たり前のことです。

ですが、

それを「公開する」というのは、本当に特殊なこと!

だと初めて思いました。

それは思っていた以上に激しかったです。

この特殊性は、私にとってはおもしろいものでした。

新鮮な刺激をいつも仕事に求めていますから。

「子どもの成長」

を目的に掲げて研究を進めた結果、あとからいろんなものがついてきちゃったという感じですかね。

またいつかこんな仕事を経験する日が来るでしょうか。

もうないかな?

意外と近いうちにまたあったりして・・・?


研究公開を振り返る 9 ~組織で動くことの難しさ~

2012-12-11 22:52:24 | 教師力UPの攻略法

研究の中心的な立場を任せてもらって,まず心がけようと思ったことが

「組織で動こう」

ということです。

以前の自分ならそういう考えはあまり浮かばなかったと思います。

自分でなんとかしようと,どんな仕事も真っ先に自分が手を伸ばしていたでしょう。

でも,前任校で教務や研修を担当させてもらい,そのときの経験が生きました。

学校を動かそうとするのに,一人でできることは限られている。

一人でしようとすると,学校は動かない。

いろんな場面で痛感しました。

そこで,今回の大仕事も,まずは組織を作ることから始めました。

やること,研究内容が明確になったら,それぞれにリーダーを当てはめました。

そして,そのリーダーの下につくメンバーを配置しました。

そしてそのグループごとに,研究のゴールと,研究を進めていくプランを示しました。

ここまでの作業は4月に行わなくてはいけなかったことで,簡単なことではありませんでした。

自分の学級の大事な時期でもある一方で,こちらの仕事に重点を置かなくてはいけませんでした。

さあ,私的には組織をつくり,それが動き出すために必要なことはしたつもりです。

あとは,それぞれの組織で軌道に乗ってほしい。

そう思っていました。

うまくいかないことも多々ありました。

仕事を誰かに頼んだ場合,うまくいかないパターンとして,その相手が…

× その仕事を引き受けてさえくれない

× 引き受けてくれたが,その仕事への意欲が著しく低い

× 意欲はあるが,仕事の内容を理解してくれていない

× 仕事の内容は理解してくれているが,それに対する異論や抵抗感をもっている

× 共感してくれているものの,あまり重要性を感じてくれていない

× 重要性を感じてはいるのに,計画通りに仕事を進めてくれない

× 計画通りに仕事を進めたが,期待通りの結果を出してくれない

× 期待通りの結果を出してくれたが,予想以上の費用を使ってしまった

ざっと考えてみただけでも,こんなにあります。

これらの「×」のどれにも引っかからずに仕事を進めてもらえる方が,珍しいことなのかもしれません。

そんな人がいたら,大変腕の立つ人でしょうし,仕事を頼んだこちら側としては,うれしい,頼もしい限りです。

私も広く仕事を依頼しましたが,やっぱりこれらの「×」のいろんなところでひっかかっていました。

特に苦労したのは「計画通りに仕事を進めてくれない」というところかなぁ。

もちろん,引き受けてくれた先生はみんないい人なのですが,「いい人」で済まされる話ではないのが仕事です。

でも,じゃあやっぱり一人でするかというと,そうではありません。

「×」にひっかかることを恐れて,独りよがりな仕事をすることほど,大きな「×」はないでしょう。

だから,大事なのは,

「×」はあらゆるところに点在するものだとして,その上でどう対処していくかを考えていく!

ことでした。

最初にゴールやプランを示しただけでは不十分。

それで組織が軌道に乗るなんて思うのは甘すぎるということ。

軌道に乗せるためには,随時その組織の状態をチェックし,必要な手立てを講じることが最低条件でした。

5月以降,私にはそれがずいぶん不足していたと,今反省しています。

思えば,学級での仕事に似ています。

子どもたちのグループ活動。

人を動かす法則のようなものは,子どもも大人も同じものがあるんですね。


研究公開を振り返る 8 ~公開にまつわるお金の話にうんざり~

2012-12-10 23:09:16 | 教師力UPの攻略法

とある大きな指定を受けての研究公開でしたので、主に教育委員会から予算がつけられました。

最初の話では、〇〇万円と。

「お~」

「すごいね~」

職員室でも、思ってた以上の額に盛り上がりました。

その使途について話合う場面では、

「~が備品としてほしいですね。」

「施設をきれいにしましょうよ。」

「思い切って、~を作っては。」

なんていろんな意見が出て、研究が大変だった中に、またがんばろうと思うきっかけにもなりました。

私は研究担当としてそのお金についても管理を任されました。

各研究班から上がってくる要望を集約し、調整をしていました。

そうして、数ヶ月経ち、予算についてもいよいよ使途を決定し、ものを買ったりしようかとしたところに、

「予算が減額になる」

という話が舞い込んできました。

「え!うそっ」

まさかと思い、かなり焦りましたが、これはすでに決定事項でした。

私を含め先生たちはみんな文句を言いたくなりましたが、上からの通知ですので、口を挟む余地はありません。

どれくらい減額になるのか。

〇〇万円→〇万円

一桁減りました。

「なんじゃそりゃ~」

文句を言いたくなる気持ち以上に、呆れました。

急に、この期に及んで、そんなことってあるの!?

こんなご時世ですので、ぜいたくができないのは百も承知です。

じゃあ最初に〇〇万円なんて言ってこないでよ~ って言いくなりました。

研究に対するテンション自体がガクッと下がる思いでした。

上の人たちのお金の管理の仕方に頼りなさを感じるとともに、本校の研究をどう思ってるんだって、疑心暗鬼になりそうでした。

仕方ない。

そのお金でやるしかない。

もう一度予算執行の計画建て直しです。

私が悪いわけではないのに、「申し訳ありませんが」なんて、私が先生たちに頭を下げていました。

そうして、いよいよ公開も近づいてきた頃、またお金の話が耳に入ってきました。

「やっぱりもう少しお金をくれそう。」

はぁ~!?

これも決定事項。

最初の通知額と、その後の通知額の、中間ほどの金額になるということでした。

もう~

頼むよ~

今度は増えるわけでから、がっかりすることはないのですが、それ以上に、この杜撰としか受け止められない上の人たちのお金の管理の仕方に、またまた呆れるばかりでした。

またまた予算執行計画の建て直し。

先生たちももう苦笑いです。

上のお金の詳しい事情なんてもちろん知りません。

委員会や議会で協議を重ねながら決定していることでしょうが。

数ヶ月の間に、一学校が研究公開するのに割り当てられる費用さえ二転三転するくらいですから、不安定なのはよく分かりました。

これがよくあるケースなのか、今回のうちのケースが稀なのかも知りませんが、(きっと稀な方だとは思いますが)うんざりでした。

ちなみに、これとは全く別に、研究の途中で校長が〇〇会というところに応募し、学校として研究の助成金をかなり獲得してきました。

その話にまた職員室は沸きましたが、私の公開に関するお金の管理はまた混乱しました。。。。

おかげで、公開が終わった今でもお金の使い道がはっきりできていません。

お金を使う前に、公開を迎えてしまったのです。

これは大きな課題です。

研究公開につけられる予算は明確にしてください!途中の減額も増額もなし!

今回は、上のおえらいさんたちへの要望でした。


研究公開を振り返る 7 ~意外と一番気を揉んだのは~

2012-12-08 12:29:18 | 教師力UPの攻略法

年度初めから,綿密な計画を立てて研究を進めてきた!

それが形になってきた!

公開案内も何百と発送した!

公開授業の方も準備が進んできた!

本校職員の公開に向けたテンションも上がってきた!

公開案内は二回目を配布した!

さあ,もうすぐ公開本場だ!

・・・・・って,ときに私としては思いもよらぬ心配事が入ってきました。

自分の公開授業のことでもなく,研究発表のことでもなく。

それは

「公開参加の申し込みが遅れている。」

ということでした。

第一次案内,第二次案内と各校へ配布しているにも関わらず,申し込みが集まらない…!

これは正直,打ちのめされる思いでした。

人に見せるための公開をするのに,人が集まらないなんて,問題外です。

深いため息をつきそうになったとき,校長先生が教えてくれました。

「どこも,こんなもんだぞ。」

附属校や有名研究校の公開は別なのでしょうが,一般の学校がする研究公開(年間に,たっくさんあるわけですが)っていうのは,なかなか人が集まらないそうです。

今どき。

だから,公開する学校は必ず人集めに苦労することになると。

「へぇ~ そうなんですかぁ」

なんだ,うちの研究が見捨てられているだけかと思ったら,そうではないということが分かったので,とりあえず一安心。

いやいや,安心はしてられません。

なんとかして人集めをしなくては!

ということで,これもお決まりらしいのですが,まず管理職間で直接声を掛け合って

「今度うちで○○の公開をするから,そっちの学校から○人くらいよこしてくれんかね。」

すると

「じゃあ,今度うちがするときは,頼むね。」

みたいな感じのやりとりをするそうです。

加えて,同地区の学校には,積極的に参加するよう地区の教育委員会が改めてはっぱをかけてくれます。

あとは,職員個別のお誘いです。

私も友だち先生を何人か誘いました。

「え,そんなのやるの?」

って驚かれるから,

「公文行ってるでしょ!二回も!」

「あったっけ…」

そんなものなんですよねぇ。

そうこうして,なんとか公開当日には会場がにぎやかになるほどの人たちが集まりました。

ほっとしました。

もちろんこういうやりとりなしに,本校の研究案内が目に留ったり耳に入ったりした時点で,関心をもってくれて申し込んでる人たちもいるのですが,当日公開会場に集まるたくさんの人たちは,こんな人たちばかりではないということを,身を持って知りました。

考えてみればそうですね。

私も他校の研究公開に,常にアンテナを伸ばしてるわけありません。

係から公開の案内がちゃちゃっとされますが,まったく人ごとだと思ってますもんね。

時折,管理職から

「行ってくれんか」

と,声をかけられたり,

「旅費がずいぶん余っちゃってるんだよ。だから

なんて話を受けることがあるのも正直なところです。

うーん,自分が公開を主催する側になって初めて思いました。

これじゃあいかんよなぁ と。

研究公開はその学校の先生たちの知恵と努力の結集です。

それを見ることは,教員としての資質を高めるために,一番といっていい方法です。

なのに,先生たちは他校の研究に関心をもつことができていない。

それは言うまでもなく,現場が忙しすぎるから。

これに尽きます。

他校に出向いて積極的に学ぼうと思えるほどのゆとりが必要!

目の前の子どもや校務に向かうことで,毎日手一杯の先生ばかりなんです。

この現状がどうにかして解消されなければ,研究公開校のさびしさはずっと変わらないことでしょう。

どうすれば解消されるのか。

それはとても大きな話になるでしょう。

学校の,地域の,日本の教育システムそのものを見直すことになるはずです。

簡単には変わりません。

私にもどうすればいいか分かりませんが,今回は,そんな気持ちが初めて芽生えたというところです。


研究公開を振り返る 6 ~公開当日の意外な助っ人~

2012-12-07 21:56:54 | 教師力UPの攻略法

公開授業のあとは全体会です。

私は自分の公開授業はもちろんですが、この全体会も気が抜けません。

研究発表も私が作ったからです。

・・・今思えば、あんまりあり得ない形ですねぇ。。。

我ながらよくやった。

公開授業、研究発表に対する質疑応答がくせもので、どんな質問が来るか、いろいろと対策を立てました。

研究内容に対するストレートな質問なら、

「待ってました」

と言わんばかりに返すことができるのですが、そうでないところから攻めてくるのも多いのが研究公開です。

前にも書きましたが、今日来て初めて見る人たちにとっては、そこまで研究テーマを意識していないものです。

そんな途方もない質問にまで全部対策を練ることはできないので、そこがハラハラドキドキです。

そんな心持ちでいる全体会直前、とある先生が私に声をかけてきてくれました。

昨年度で本校を転出した、元教務主任でした。

とても仕事のできて、気さくで、私をかわいがってくれていた先生でした。

その先生が来てくれていて、私に声をかけてくれたということだけでうれしい気分になりました。

先生は、

「何か聞いてほしいことはないの?全体会。」

と声をかけてくれました。

私が研究担当をしていることを知っていて、気を利かせてくれたのです。

変な質問をされたり、逆に質問が全くなかったりしたら困るので、それを防ごうとしてくれたのです。

さすがベテラン。

「何かあるなら質問するよ」

「じゃあ、質問対策の資料を作っているので、それ丸ごと先生に渡しておきます!」

と、資料を渡しました。

ずいぶん気が楽になりました。

研究公開、いざというときのために外部にも助っ人を準備しておく!

本来ならこちらから、そういった先生を見つけてお願いにあがるべきだったでしょう。

それをしていなかったため、先生が声をかけてくれて大変助かりました。

この場合、これはいわゆる「さくら」ですが、公開では往々にしてよくする手法です。

テーマに沿って研究を深めるために、あってよいものだと思います。

※しかし本番では、その先生が質問する間もなく、ほどよい質問が次々に出たので、出番はありませんでした。