NHK‐BS「世界のドキュメンタリー」は最もよく観る番組なんですけど,ドイツの放送局が製作したこの番組(9/27放映)は秀作でした。
中国ではなんと年間約2万人もの児童が誘拐され,売買されているという。買われた児童は,やがて農家の働き手や農村の男子の嫁としてさらに売られて行く。
番組に登場する女性は,10歳の時に誘拐され他家で育ち,現在は結婚して子を持つが,自分の故郷さえ知らなかった。しかしボランティア団体や若き善意の警察官らの支援によって,実の両親と20年ぶりの再会を果たす。しかし,その彼女の夫の故郷では,結婚相手をカネで買うことは普通のことだという。
さらに驚いたのは番組に登場したある老婆の話。自身が幼い時に連れ去られ,身売りされ,他所で育ち,やがて家庭を持つに至ったが,その彼女も息子の結婚相手には売買されてきた女性をカネで買ったというのだ。
一人っ子政策も影響しているのか,中国人には人身売買が犯罪であるという意識が薄く,警察も積極的に捜査に乗り出さないという。