何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

ズドラーストヴィチェ!

2015-06-04 18:44:36 | ニュース
<ロ大統領年内来日実現へ調整>2015年 06月 4日 02:00 ロイターより一部引用

安倍晋三首相が、来日したロシアのプーチン大統領側近と5月に会談した際、先の日米首脳会談でプーチン氏の年内来日実現に向け調整を進める考えをオバマ米大統領に伝えたと説明していたことが分かった。
ウクライナ情勢でロシアと対立するオバマ氏がプーチン氏来日に難色を示す中、懸案の北方領土交渉を見据え、来日実現への決意を伝えた形だ。
関係筋によると、安倍首相は5月21日に、プーチン氏側近のナルイシキン下院議長と都内で会談した際「『日ロ対話は重要で、プーチン氏には来日してほしいと思っている』と、日米首脳会談でオバマ氏に説明した」と伝えた。


ロシアというとトルストイの前にあえなく敗退してしまい、ロシア人作家にはとんと縁がなく、「不毛地帯」(山崎豊子)「ガセネッタ&シモネッタ」(米原万理)がまず浮かぶ、というより、それしか浮かばない。

「不毛地帯」を読んだのは随分昔のことで曖昧な記憶しかなく、主人公壱岐正については、大陸に終戦を伝えに行く場面やシベリヤ抑留中に虱の動きから仲間が命尽き果てるのを感じる場面など印象的なところもあるが、今となっては本箱にある「不毛地帯」を見た子が「ハゲの本がある」と囃し立てたことばかりが浮かんでくる情けなさ。

本の記憶は曖昧だが、この主人公のモデルとなった瀬島氏は経済だけでなく政治・外交面でも活躍が目立ち、PKO法案について世論が姦しかった頃、外務省改革の座長に座った御仁という印象の方が強い。この関係でいうと「不毛地帯」に一か所だけ印象的な場面がある。

米国アーリントン戦没者基地に墓参りに来ていた老夫婦に、「Bloody Jap」と言わた壱岐正が、偏見と憎悪に満ちた言葉にたじろぎ 「日本の国はもっと世界の人々に理解されるように勤めねばならぬ」と心に誓う場面があるが、これが瀬島氏の外交強化案に影響を与えたのかどうかは、氏のみぞ知るところである。

話は戻ってロシア。

改めて考えてみると、ロシアという国も国民性も米原万理氏のエッセイを通じて知るのみで、取り敢えず
「ダー」と言っておけば良いのだろうか?というくらい何も知らない。

米原氏によると、「ロシア人の外国を学ぶ姿勢は徹底しており、例えばロシア人が日本を学ぶときには十七条憲法から学ぶ」とか、「ロシア人は同郷愛が強いので村で優秀な子供が見つかると郷土の誇りとして皆で育てる気風がある」とか好ましい国民性が挙げられていた記憶があるが、そうはいっても「収容者群島」(ソルゲニーツィン)という時代がほん少し前まであったことを思えば、なかなかに奥深い国ではある。

ロシア大統領は来日計画が取りざたされては何度も頓挫しているので、今回もどうなることかは分からないが、ロシアといえば雅子妃殿下が幼少過ごされた国でもありロシア語も堪能であられることから、プーチン大統領歓迎晩餐会ともなれば、雅子妃殿下のお姿を拝見できることの方が楽しみである。

こちらを拝見しながらロシアの巨匠の本など読みつつ、その日をお待ちしたいと思っている。