何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

それでも 逢いたい

2016-02-24 09:51:25 | ひとりごと
書こうか書くまいか悩んでいたところに、打ってつけというと語弊があるかもしれないが、書くことを後押ししてくれる記事を見つけた。
やはり、ワンコだな。

<被災地>「幽霊現象」体験談 多数紹介 宮城でシンポ  毎日新聞 2月25日(木)11時22分配信より一部引用
「初夏なのに真冬のコートを着た女性を乗せた。目的地に着いて後部座席を見ると誰もいなかった」「人をひいて慌てて車を止めたのに誰もいなかった」……。仙台市青葉区の東北学院大で24日開かれたシンポジウムで、東日本大震災の被災地で「幽霊現象」の体験談が多数語られていることが紹介された。
社会学を学ぶ教養学部4年の工藤優花さん(22)が、石巻市のタクシー運転手が体験した「幽霊現象」について書いた卒業論文が反響を呼んだことから同大がシンポジウムを企画。学生や市民ら約150人が熱心に耳を傾けた。
工藤さんは2013年5月~14年3月、毎週石巻市を訪れてタクシー運転手約200人に聞き取り調査し~略~話を聞いた。
工藤さんはこの運転手たちには幽霊への恐怖心がなく、畏敬の気持ちを持っている印象を受けたという。その理由については「地元への愛着や震災で突然亡くなった人への共感が、幽霊への理解を生んだのではないか」との見方を示した。
東北地方の怪談や心霊現象を集めた書籍を出している仙台市の出版社「荒蝦夷」の土方正志代表もマイクを握り「周囲の人の突然の死を受け入れられない人たちの思いが幽霊には投影されているのかもしれない」と分析した。
終了後、工藤さんは「調査中、心のどこかで被災した経験を乗り越えられず、前向きになりきれない人にたくさん出会ったので、震災5年を迎える今、そういった人たちの心のケアをしていく必要があると思う」と話した。


先々週の土曜の朝、皆の第一声が「ワンコの夢をみた」だった。
声を聞いただけの者もいるけれど、空から庭の花水木のもとに下りてくる姿をみた者や、この時期ワンコが必ず陣取っていたストーブの前で寛ぐ姿をみた者や、ワンコが嬉しくて堪らない時に飛び跳ねるあのポーズをみた者や・・・・・・・口々にワンコの夢をみたと久しぶりに家族皆に笑顔がでた一時だった。
ワンコがお参りをして挨拶をすませて、帰ってきた!
だが、数日前に家人がポツリと言った、「うちにはワンコから電話がないな」
聞き捨てならない言葉に何事かと問うと、家人が言うには上司の携帯に亡くなった愛猫から電話があったそうなのだ。
数年前に上司の愛猫が亡くなったそうだが、ちょうど一月経った頃に愛猫たまから電話があったのだという。

会議中の上司の携帯が振動した。
確認すると、〇〇たま子(○○は上司の苗字)と表示されている。
上司は自宅の番号を「家」と登録しているので(〇〇を自宅とは思わず)、〇〇たま子という知り合いがいたか?それを登録したことがあったかと訝しく思いながら、会議が終わるのを待ち、表示されているところに折り返し電話すると、何とそこは自宅だった。
キツネにつままれた気分で電話を切ると、そこに着信履歴も発信履歴も残ってはいない。
そして、次の瞬間気が付いた、愛猫の名は「たま」だったと。

「誰が信じてくれなくとも、家族はたまから電話があったと信じている」と大真面目に話し、「君のところにもワンコから電話はあったか」と問う上司。
家人はその話を信じたが、信じると今度は、「ワンコから電話がないことが気にかかる」と話していたところだったので、被災地の方の『幽霊への恐怖心がなく、畏敬の気持ちを持っている』という気持ちがよく分かる。
それでも 逢いたい と。

あの日から、まだ5年、もう5年
癒えない哀しみを抱えた被災者の方々に、寄り添い守るものがあると信じている。

『見えぬけれどもあるんだよ
 見えぬものでもあるんだよ』 「星とたんぽぽ」(金子みすず)より




追伸
このページの持つ不思議な意味を大切に胸にしまっていく。