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奉祝 日本一の日

2018-02-23 21:00:00 | ひとりごと
今日2月23日は、語呂合わせから条例で「富士山の日」に定める自治体もいくつかあるが、
2月23日は皇太子様の御誕生日であることから、「日本一の日」とも云われるそうだ。
wikipedia三保松原
写真出典https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E4%BF%9D%E3%81%AE%E6%9D%BE%E5%8E%9F#/media/File:Mt_Fuji_at_Mihonomatsubara.jpg

子供の頃に読んだアニメの本なので、引用文『 』に原典があるか否か分からないが、「わが青春のアルカディア」(松本零士原作 尾中洋一・小説化)には今も心に残る言葉がある。

『人間はもともと人間として生まれついたのではなく、
 人間になっていくのだ』
『人が人として最も美しいのは、他人の痛みを自分の痛みとして感じている時
 人が人として最も醜いのは、他人を踏みつけにして自分を立てようとする時』

今年のお誕生日の会見で、「皇太子様が天皇になるということを自覚されたのはいつか」という記者からの質問があるが、それと同時にいやそれ以上に大切なことは、自覚されたうえで「天皇になっていく」過程で何に重きをおかれているか、ということではないだろうか。

それを、皇太子様は22歳にして語っておられる。
『花園天皇は、まず徳を積むことの必要性、その徳を積むためには学問をしなければならないということを説いておられるわけです。その言葉にも非常に深い感銘を覚えるます』(昭和57年 大学ご卒業の会見より)

この徳と学問の重要性を、50歳のお誕生日の会見でも述べておられる。
『第95代の花園天皇が、当時の皇太子、後の光厳天皇にあてて書き残した書に、まず徳を積むことの重要性を説き、そのためには学問をしなければいけないと説いておられることに感銘を受けたことを思い出します。そして、花園天皇の言われる「学問」とは、単に博学になるということだけではなくて、人間として学ぶべき道義や礼儀をも含めての意味で使われた言葉です。私も、50歳になって改めて学ぶことの大切さを認識しています。』

皇太子様は、花園天皇の「誡太子書」を平易な御言葉で説いておられるが、花園天皇と皇太子の関係性と現在を併せ考えれば心ザワツクものがあるし、花園天皇の視点は現代に通じているため非常に厳しいものがある。

『愚人は時変に達せず。昔年の泰平をもって、今日の衰乱を計る。謬れるかな、謬れるかな。近代の主、猶未だ此の際会に当たらず。恐らくは唯太子登極の日、此の衰乱の時運に当たらむか。内に哲明の叡聡有り、外に通方の神策有るに非ずむば、則ち乱国に立つを得ず。是れ朕が強いて学を勧むる所以なり。今時の庸人、未だかつて此の機を知らず。宜しく神襟を廻らして、此の弊風の代に尚うべし。詩書・禮楽に非ざるよりは、得て治むべからず。是をもって寸陰を重んじ、夜をもって日に継ぎ、宜しく研精すべし。』
『凡そ学の要たる、周物の智を備え、未萌の先を知り、天命の終始に達し、時運の窮通を弁じ、若に古に稽え、先代廃興のあとを斟酌し、変化窮まり無きものなり」

『故に孟軻、帝辛を以て一夫となし、武発の誅を待たず。薄徳を以て神器を保たんと欲ふ(ねがふ)とも、あにその理の当たる所ならんや・・・たとへ吾が異姓の窺ゆなしといふとも、宝祚の修短多く以てこれによれり、しかのみならず、中古以来兵革連綿、皇威遂に衰ふることあに悲しまざらんや。太子宜しくつらつら前代の荒廃する所以を観察せよ』

優れた歴史学者であられる皇太子様は、「誡太子書」が諭す厳しさを十分にご存知だからこそ、「徳と学問」と「時代に即した新しい公務」について繰り返し語られているのだと拝察する。
平成30年 御誕生日ご会見より
『象徴としての在り方を求めていく中で,社会の変化に応じた形でそれに対応した務めを考え,行動していくことも,その時代の皇室の役割だと思います。「時代に即した新しい公務」についても,この点を述べたものであり,将来にわたり生じる日本社会の変化に応じて公務に対する社会の要請も変わってくることになると思いますし,そういった社会の新しい要請に応えていくことは大切なことであると考えております。以前,私は,水の問題や環境問題,子どもや高齢者を取り巻く状況などに触れましたが,それらに限らず,今後も,新たな公務に対する社会の要請は出てくると思いますので,そうした公務に真摯に取り組んでまいりたいと思います。
同時に,世界各国との相互理解を深めていくことも大切であると思いますので,文化交流や国際親善の面でもお役に立てればと思います。』

このような厳しい道を、穏やかな佇まいで歩んでおられる皇太子様の御誕生日だからこそ、今日2月23日が、日本一の日なのだと私は思う。

皇太子様 御誕生日おめでとうございます

特集記事
「気づかいと責任感と優しさと 58歳 皇太子殿下のお人柄」 https://news.yahoo.co.jp/feature/889

追記
富士山の写真に、三保松原を選んだのには理由がある。
御大の体調を慮って始めた’’春の家族旅’’
今年は、富士山を拝む旅にしようとは年明けから計画していたのだが、昨夜旅行会社から「三保松原はいかがか」と連絡があり、それが決定したのが今日「富士山の日」なのだ。






嫌味な追記
ただ男子として誕生したから、その立場になれた、では21世紀の日本の象徴としてあまりに悲しい。