どうしてこんなに楽しいんだろう!

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ビジネスエリートの新論語

2016年12月21日 | 読書・歴史
東京への出張に際し、名古屋三省堂にて、新幹線で読む本を物色。
「ビジネスエリートの新論語」・・
私の信奉する司馬遼太郎氏の新刊が平積みされていた。

思わず手に取り、購入した。

この本は昭和30年、司馬遼太郎として作家デビューする前の作品で、
福田定一(ていいち)という本名で刊行されている。

その復刊だ。

昭和30年といえば、戦後10年。
もちろん私は生まれていないので当時のことはわからないが

同じ時代の映画:黒沢明監督「生きる」(昭和27年)の
映像でタイムスリップすることができる。

この本を読むと、サラリーマンというものの骨格は
今とたいして変わらないようだ。

福田定一32歳・・文章は粗削りだ・・・
特に200ページの3/4を占める第一部はどうも地に足がついていない。

名言にエピソードを無理やり当てはめたような違和感があった。

しかし、後半の第二部で、司馬遼太郎の原点のような
躍動感あふれる人間観を感じた。

この第二部に描かれている二人の老サラリーマンとの出会いが、
司馬遼太郎作品の原点である「人間とは何か、人間とはどう生きるべきか」
というテーマを導き出しているような気がする。

人生において、もしくは会社において「大成」とはどういうことか?
前文にも書かれてあるが、
今を生きる社会人に対して厳しくも励ましに満ちたエールを満載している。

議論好きというものは一種の悪徳である。
議論に勝ったところで相手に劣等感をあたえ、
好意を失うのがせいぜいの収穫というものなのだ。


ビジネスエリートの新論語 (文春新書)
クリエーター情報なし
文藝春秋
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