相国寺に残された「十牛図」です
●『十牛図(じゅうぎゅうず)』とは、逃げ出した牛を探し求める牧人の様子を、段階的に描いた十枚の絵です。
十枚の絵には漢詩が添えられています。
●「牛」は「ほんとうの自分」の象徴です。俗世間の生活の中で自分を見失った若者が
「真の自己を究明する自分」=牛・・・を探しに旅に出る若者の物語です
●「自分とは何か」を探し求める旅の物語絵は、禅の悟りにいたる道筋を表しているのですね。
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●『十牛図』は禅を学ぶための入門書として北宋時代に成立
『十牛図』は、中国・北宋時代の禅師、廓庵(かくあん)が創作しました。
禅の精神を学ぶための入門書として古くから重要視され、『廓庵』にならっていくつかの図が描かれました。
.1 第一図:牛を尋ね探す「尋牛(じんぎゅう)」
2.2 第二図:牛の足跡を見つける「見跡(けんぜき/けんせき)」
2.3 第三図:牛を見つける「見牛(けんぎゅう)」
2.4 第四図:牛を捕まえる「得牛(とくぎゅう)」
2.5 第五図:牛を飼いならす「牧牛(ぼくぎゅう)」
2.6 第六図:牛に乗って家に帰る「騎牛帰家(きぎゅうきけ)」
2.7 第七図:あるがままに生きる「忘牛存人(ぼうぎゅうぞんじん/ぼうぎゅうそんにん)」
2.8 第八図:空白となる「人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう/にんぎゅうぐぼう)」
2.9 第九図:本源に還る「返本還源(へんぽんかんげん/へんぽんげんげん)」
2.10 第十図:人の世に生きる「入鄽垂手(にってんすいしゅ)」
私の解釈
●自分を見失った「人」が自分探しの旅に出る。
●やがて「大いなる物」見つけて安堵して・・・すっかり自分のいる場所に慣れてしまう。
●が、とりあえず帰郷する。
●が、志もやがて薄れて・・・マンネリ暮らし。
●そして、やがてハッと我に返る。
●そうだ「悟りを開いたとしても、そこに止まっていては無益。
人々に安らぎを与え、悟りへ導いていこう!
これは禅の教えですから・・・私たちの実生活とは少しかけ離れているかもしれません!
でも、功成り名を成し。世の一角を築いた人は・・・自分の得た物の内の何かを世の中に
返していく・・・他者のために尽くす。
そう言ったことが、必要なのではないでしょうか?
利他の心 の大切さ!
丑年の年頭にあたり・・・私に何が出来るだろうか?と、思い巡らし、
茶道の師匠からお教え頂いたことを「反芻」している今夜です。
先生が亡くなられて、10年になるでしょうか・・・感謝で一杯です!
本日ご訪問くださいました皆様ありがとうございました・・・
合掌を拓くうてなに一を知る
[十の一]は、[1の1よりの1]が、十の五色の[五蘊物指]に生る・・・
数の言葉ヒフミヨ(1234)の[ひ・ふ・み・よ・い・む・な・や・こ・と]に[十牛図]の光景を重ね合わせたい・・・