Matador/Kenny Dorham (United Artists LAX3125 jp.reissue)
久々にハードバップのスカッとした演奏を聴こうとアンプに電源はいれたものの、1500枚近くもジャズ、ボーカルをアップしているとブログに登場していない好盤は自分のライブラリの中でもそう簡単にお目にかかれるものでありません。「あっ、これまだアップしてなかった!。」って思える盤はなかなか見つからないのですが、今日は久々に出くわしたのでアップしてみます。独特な音色で、本邦でもファンの多いトランぺッターのケニー・ドーハムです。恐らく、大学の2年生の時に購入した盤ですから、かれこれ30数年は自分のライブラリにいるレコードです。タイトルは"MATADOR"。所有のドーハム盤では"Quiet Kenny", "Memorial"(オリジナルはJAROですね。)、"Cafe Bohemia"についで4番目に購入したドーハムです。当時は100枚ぐらいしかジャズレコードは所有してませんでしたから、そのうちの4枚がドーハム盤、いかにこの哀愁のトランペットサウンドに惚れていたかがわかりますね。
ジャケットは決して冴えた感じがないのと、A面のタイトル曲"El Matador"につづく組曲仕立てのマクリーン作の"Melanie"のおかげで、ほとんど聞かなかったA面が何と新鮮に感じることでしょう。軽やかにラッパを操るドーハムと力強いマクリーンのアルトが交錯する"Melanie"の素晴らしさに脱帽です。時間を置いて、好みじゃなかった面にアプローチするとまた違ったフィーリングを味わえるのがジャズレコードの醍醐味かも?ですね。AB通しのCDではこうはいきませんね。ジャズはやっぱりVINYLです。昔はスタンダードの小品が揃ったB面が好きでした。B面冒頭のチャップリンの"Smile"と2曲目の"Beautiful Love"がお気に入りだったなぁなんて、懐かしく思います。パーソネルはKenny Dorham(tp), Jackie McLean(as), Bobby Timmons(p), Teddy Smith(b), J.C.Moses(ds)のクインテットです。端正なTimmonsもたまには良いものですね(笑)。
所有盤は、この辺りの盤の例に漏れず国内盤それもキングがリリースした1500円の廉価盤です。この辺りのKING盤、ジャケットの装丁もよくって時代を感じます。「とにかく何でも聞いてやろう!」と自分にとっては熱かった70年台後半、良い時代でしたね。