Smokey And Intimate/Flo Handy
(Carney LPM201)
Flo Handyの名前を聞いて,いろいろ語れちゃう人は余程のボーカルファンだろうと推測します。自分がその名前を初めて知ったのはジャズ批評社の「女性シンガー第百科vol.2」だったと記憶しています。Floというファーストネイムも聞き慣れない名前で北欧系の歌手かななんて思っていたら,Florenceの愛称らしくはたと膝を打った思い出があります。そして,贔屓のエラ・メイ・モーズの妹とこの本に紹介されていたことからずっと探していた一枚でした。彼女にとっては唯一のリーダー盤です。いろいろ調べてると,CDではとうにリリースされていた事が判明したのですが,やっとオリジナルに出会えて今回の入手となった訳です。64年の録音ですが,Carneyというマイナーレーベルからのリリースで結構入手困難なのかも知れませんね。
エラ・メイ・モーズ自体をご存じない方もいるかもしれませんが、鉄火肌のボーカルでちょっと有名な姉さんです。以前に当ブログでも"The Morse Code", "Barrelhouse, Boogie, and the Blues"なんて言うキャピトル盤をアップしてますのでジャケみれば「ああこの人ね・・・」って思われると思います。ボーカルファンでなければ,サックスのアル・コーンの奥方であった事を紹介すれば少し馴染みやすいかもです。
さてこのアルバム、ギターデュオとの共演で結構まれな編成です。2人のギタリスト,George Barnes, Carl Kressの二人も余り知られてませんよね。二人ともジャケではギルドのフルアコを抱えてます。演奏で効ける低音域を生かしたプレイはなかなか良くってベースが居るような気持ちにもさせてくれます。そうそう、このギターデュオがシンガーを捜していて,Floを紹介したのはあのズートだったっていうのもどこかで読んだ記憶があります。Floのボーカルはアル・コーンの奥方らしくビリーからの影響を感じます(そう言えばマリリンもそうでしたね)。とくに投げやり的な唱法はそんな感じ,声はハスキーで自分好みです。"No Moon A All", "My Heart Stood Still", "Fine And Dandy", "Who Can I Turn To", "How long Has This Been Going On"等の知られたスタンダードが多いのも嬉しい限りです。
所有盤はCarneyのモノラル原盤です。Carneyなんて初めて聞きました。このレーベル,誰かご存知ですか?