On The Town/Oscar Peterson Trio
(Verve MGV-8287)
(Verve MGV-8287)
バックにグラスが触れ合う音が収録されたライブレコーディングは聴いてて楽しいですね。エヴァンスのワルツフォーデビーもそうですが,一気に会場の雰囲気に包まれる感じがして気分が盛り上がります。この時期,OPのトリオ(OP, Brown, Ellis)はOPの母国カナダで2枚の優れたライブレコーディングを行っています。一枚は名盤の誉れ高いシェークピアンフェスティバルのライブですが、このトロント,Town Tovernでのライブも優れた内容で捨て難い魅力がありますね。いまだナット・キング・コール・トリオスタイルのピアノ,ギター,ベースの楽器編成ですが,この編成でも全く余白のないブルージーでアーシー、ダイナミックな演奏はこのトリオの真骨頂であり、誰もが知っている曲を抜群のテクニックを駆使した解釈で聴かしてくれるスタイルは後の演奏に於いてもOPのアルバムの根幹となっていますよね。
1958年録音で,ブラウン,エリスとのトリオはもう完成の域にあり、両者のプレイも申し分ありません。選曲はOPならではのスタンダードとブルースがバランス良く配されており,疲れませんね。A面に"Sweet Georgia Brown", "Should I ", "When Lights Are Low", B面には"Pennies From Heaven", "Moonlight In Vermont"のスタンダードが取り上げられています。B-1のダウンホームな印象の"Easy Listening Blues"や急速調の"The Champ"もブルースフィーリング,ダイナミズムが溢れた好演でいいですね。
所有盤はVerve、トランぺッター,モノラル盤です。カメラを構えたOPの横顔を捉えたカバーも秀逸ですね。