A Girl & Her Guitar/Mary Osborne
(Warwick W2004)
盤に針を落として出てくるこのギターのエレクトリックサウンドにはいささかびっくりしました。というのもギターのサウンドというのはブルージーなケニー・バレルや親指で弾く丸いトーンのウェスのギターになれた耳にはとても異質に思えたものです。でも出てくる曲はジャズのスタンダードばかり。周囲を固めた名手と織りなすスィンギーな演奏ですぐになじめてしまったのですが、コレが女流ギタリストMary Osborneの第一印象です。女流ギタリストと言えば、ボサノバ系のギタリストしか知らなかった自分にはきわめて強烈な第一印象であった訳です。Mary Osborneは結構古い人で1921年生まれで、40年台に既にホーキンスやメリー・ルー・ウィリアムスなどと共演していたようです。本日はこの女流ギタリストの代名詞的アルバム"A Girl & Her Guitar"をアップしますね。
59年録音のこのアルバムは、手堅い名手がサポートし彼女の代表作に仕上がっています。メンバーはTommy Falanagan(p), Danny Barker(g), Tommy Potter(b), Jo Jones(ds)の布陣でBarkerはリズムギターでの参加です。前述のようにA-1の"I Love Paris"で聴かれるギターサウンドはまさしくサプライズでこんな音には今までであったことがありませんでした。他にも"How High The Moon", "When Your Lover Has Gone", B面では"Sophisticated Lady", "I'm Beginning To See The Light", "Body And Soul", "I Surrender Dear", "These Foolish Things"とスタンダードが目白押しです。オズボーンのギターサウンドもさることながらフラナガンの素晴らしいピアノが聴けるのがうれしいですよね。
所有盤はグレッチの白いギターを抱えたOsborneをとらえたカバーですが、このアルバムにはもう一枚白いバックで彼女の立ち姿を捉えたアルバムがあると思います。どちらがオリジナルのカバーなのか、もしご存知の方がおられたら情報をいただければと思います。センターラベルが美しいワーウィックのモノラル盤です。