Carnival/Denny Zeitlin
(Columbia CS9140)
いつもZeitlinの話になると彼の医師としての経歴が引き合いに出されることが多いですよね。お医者さんのなかにもちょっとピアノが弾ける程度の方はたくさんいるだろうが、やはりZeitlinのレベルまで達するとなるとかなり稀有な存在なんだろうと思います。お医者さんとしてもボルチモアのJohn Hopkinsで医学博士を取得したということなので、かなり優秀なんでしょうね。やはりこの経歴はワールドクラスです。サッカー界ではブラジルにソクラテスって言う選手がいましたが、彼も医師であることがよく紹介されていましたね。ちょうどこれに匹敵するようなレベルの話だと思います。
個人的には少々苦手のジョージラッセル門下と言いますから、かなり実験的なピアニストのようにも思いますが、本日アップのこの”Carnival”では結構スタンダードをやってて入りやすいアルバムなのかも知れません。そしてZeitlinと言えばCharlie Hadenのベースです。この二人にJerry Granelliを加えたトリオは当時のレギュラーメンバーでColumbiaの4枚のリーダー盤すべてがこのトリオで演奏されています。白人らしいクールで端正、理知的なZeitlinのピアノとHadenのタイトかつ重厚なベースとの組み合わせは最高で、80年台にはまたコンビを組みますよね。A-2の”Will You Still Be Mine”, B面の”The Boy Next Door”, “Minority”, “All The Things You Are”など彼なりのスタンダードの解釈は興味深く、”The Boy Next Door”では一聴ビル・エバンスを彷彿とさせるプレイで気にいってます。
所有盤はColumbiaの2eye, ステレオオリジナルです。難しい表情のジャケ写が多い中、ひげもなくニッコリ笑うZeitlinをとらえたカバーが好きですね。自分のライブラリの最後に位置するZeitlin, 大晦日にふさわしい一枚かな?!