Flip Wails/Flip Philips
(Clef MGC-691)
(Clef MGC-691)
近年、と言っても70年代後半になるでしょうか?コンコードレーベルにスコット・ハミルトンと言う彗星の如く出現した中間派プレイをするテナー奏者がいましたが、彼が手本にしたのがこのフリップ・フィリップスであると言われています。元々は,クラリネット奏者であったと言いますが,後に楽器をアルト,テナーと持ち替え、かの有名なウディ・ハーマン楽団の花形テナーとしてならしJATPでも活躍したプレーヤーであることは衆知のとおりです。豪放なブロー、そしてバラードもうまい,スウィングからバップへの移行期に登場した白人テナー奏者です。
共演陣は"Flip Philips and his Orchestra"と記載されているためビッグバンドかと思いきや、やや大きめのコンボでの演奏となっています。メンバーはFlip Philips(ts), Bill Harris(tb), Billy Bauer(g), Harry Edison(tp), Hank Jones(p), Ray Brown(b), Buddy Rich(ds)です。"Broadway"や"Cheek To Cheek" のようなスウィンギーな演奏では豪放なプレイを聴かせ、バラードではしっとりと情感溢れるプレイでせまります。小品ですがB面ラストの"Stardust"のプレイはこの曲の名演に入れても良いバラードプレイだと思います。また、丸みの有る豊かなサウンドのBill Harris, リリカルな演奏のハンク・ジョーンズ等サイドメンの好プレイも見逃せませんね。
クレフのモノラルオリジナル盤で,DSMのカバーが本当に美しいです。かねてからこのカバーを見て「大仏」に似ているなと思い、探していたアルバムで、何としてもこのカバーで欲しかったLPでもあります。DSM偉大ですね!