Cohn One The Saxophone/Al Cohn
(Dawn DLP1110)
テナーバトルで有名なアルとズートでは,ズートの圧倒的な人気でプレイヤーとしてのアルの魅力については余り語られることはない。一見したところ学究肌で知的なイメージが漂うアルはアレンジの仕事でも知られており大きい編成の演奏でも好盤を連発しています。プレイやーとしてのアルバムと言うと,ズートとのバトル盤を除けば,本日アップのドーン盤の右に出るアルバムはないと言っても過言ではないと思います。
メンバーはAl Cohn(ts), Frank Rehak(tb), Hank Jones(p), Milt Hinton(b), Osie Johnson(ds)のクインテット編成が基本です。曲によってはRehakが抜けてのワンホーンとなりますが,A-3のバラード"The Things I Love" で聴かれるようなカサカサした乾いたサウンドでの圧倒的な歌心が聴きものです。B-3の"Softly As In A Morning Sunrise"もカルテット演奏での有名曲ですが、やはり乾いたサウンドでのアルのソロが良いですね。ハンクのリリカルなプレイも最高です。56年の録音ですが,この時代のハンクのプレイのはキャノンボールの枯葉のようなリリシズムが感じられ,この時代もっとも輝いたピアニストのひとりであることを再認識するはzyです。B-2の"Good Old Blues"も好きな曲ですね。
所有盤はドーンのモノラルオリジナル盤です。モノラルカートリッジでの重厚なサウンド,さすがですね。