半世紀以上、バレエの指導をしていらっしゃる方から聞いた話です。今の子供たちは表情が乏しいというのです。私も彼女たちと接する機会があり、少しでしたが話をしたのですが、本当にそのようなのです。怒ったり、泣いたり、喜んだり、心底楽しむという経験が少ないのでしょうか。自然の中で仲間同士遊ぶ機会がなくなったからでしょうか。本来、子供は遊ぶのが仕事だというのに…。遊びの中で学び、育っていくことってたくさんあると思うのですが…。遊びの絶対量が不足しているのでしょうか。
私たち大人に責任があるとは思うのだけれど…。最近、またおかしな方向に向いているような気がしてなりません。勉強第一、受験戦争、喪失感などなど、こんなでは子供たちの想像力やたくましさが育たなくなってしまう、と心配になります。「ゆとり教育」はどこへいってしまったのでしょうか。どこかへ吹っ飛んでしまった感があります。
私は90年代から最近にかけて、かけがえのない身近な人たちを亡くしました。そして、人の命の儚さを痛いほど感じました。価値観も大きく変わったのは言うまでもありません。そして、今思うことは、「生きている。生きてここにいる」そのことの幸せなのです。最近、小さな幸せについて考えます。「空が美しい」「月がきれい」「水が美味しい」など、ささやかな事に喜びを感じられるようになったことへの、幸せを痛感しています。