風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

公衆トイレのない村★バーは閉店

2005年04月24日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 スタントンのバーで昼食をとることしした。さきほどフットパスで二度ほどあいさつした年配のカップルの姿もあった。店内は、犬を連れた若い男性や初老のカップル、お年寄りのグループなどで賑わっていた。暖炉の近くの席に着いた。

 そのあと、バーを出て村を散策することにした。乗馬クラブがあるらしく、乗馬を楽しむ人たちによく会い、あいさつを交わした。教会、墓地、草葺屋根の家も何軒かあり、赤や黄、ピンクの花が村に彩りを添えていた。
 
 そろそろスノース・ヒルのB&Bに戻ろうか、ということになった。
「具合悪いなら、B&Bのティムさんのタクシーを呼ぼうか?」
「大丈夫だよ」
「1持間ぐらいって言ってたけど、道がぬかるんでいたせいか、結構かかったね。帰りも大変だよ」
「でも大丈夫。歩くよ」

 フットパスを使うことにして歩き出した時の事だった。
「トイレ行っといたほうがいいね。行く?じゃー、バーで借りてくるから、先に歩いてて。すぐ追いつくから…」
「先に歩いてるよ」
娘を先に行かせて、バーに戻ったのだが…。

 急いで行ってみると、ドアが閉じていて誰もいない。
「??どうしよう…」
公衆トイレがあるかもしれないと、ある1軒の家のドアを叩いた。
「公衆トイレはどこにありますか?」
「この村にはないよ」
ええ??どうしよう…。意を決して頼んでみた。
「お宅のトイレを貸してもらえませんか?」
「ああ、どうぞ」
ほっと安堵…。

 トイレを借りたお礼に日本から持参したキャンディー「小梅ちゃん」を渡して帰ろうとすると、そのロマンスグレー氏が
「私の娘は日本に留学していた」
というではないか。
「どこに住んでいたのですか?」
「京都。京都大学で勉強していたのだが、今はロンドンの警察で働いているよ」
ちょっとの間、おしゃべりを楽しんだ。もう少し話をしたかったが、娘を追いかけなければいけないので、ほどほどにして暇を告げた。




 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イギリスの田舎を歩く★フットパスの楽しさ

2005年04月23日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 パブリック・フットパスは歩行者専用。人が歩いているマークと目的地が記された道標を道端でよく見かける。これがフットパスの入り口。地図にある決められたコースだけが、私有地に入り込むことが許可されている。道が分かりにくい時は、人の歩いた形跡をたどればいいのだ。横道にそれてしまったとしても、また新たな発見があったりして楽しい!

 カッスル・クームの村を流れるバイ・ザ・ブルック川。水の清らかなことに驚くばかり!川に架かるこの小さな橋を渡ると、すぐにフットパスの入り口がある。さっそく歩くことにしたのだが、前の日に雨があったらしく、道がぬかるんで大変だった。黒皮製のウオーキングシューズだったからたまらない。つるっと滑り、何度も転びそうになった。(長靴が必要だと痛感)

 「うわあ!やっちゃった!!」
とうとう転んでしまった。
「お母さんはこれ以上歩けないから、この道はパスするね」
まだ、歩きはじめだったのだが、一般道にすることに決めて引き返した。川岸で泥を落とすことにして、ジャバジャバ洗っていたのだが、水が濁ってもすぐに澄みきってしまう。よどみのない水の美しさにしばし感動!!

 「汚れちゃったね!」
しばらくして娘も戻って来た。
「こんな緑地を求めていたんだ!ここはいいところだね!!緑を背景に入れて、写真撮ってくれる?ねえ、お母さん!」。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆☆カッスル・クームの愛らしい花たち②☆☆

2005年04月23日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 娘との今回の旅は、ツアーを利用しないオリジナルの旅。彼女は勉強をしながらアルバイトをしてせっせと旅費を稼いだ。割り勘だったのだ。娘の卒業旅行ということもあり、ネットでの宿の予約やコース選びは娘にほとんどまかせた。アドバイスをしたり、換金したり、トラベラーズチェックづくりはの役割。情報収集はネットを中心に、図書館を活用したが、いろいろ参考になった。

 その娘が一番気に入ったのは、カッスル・クームだった。ここを訪れた日、空は晴れ渡り、空気は澄み、素晴らしい天候に恵まれた。それまで不調だった彼女が生きかえった!!宿の予約をしている時にチェックしていた、B&Bを見つけた!
「ここに泊まりたかったんだけど、交通の便を考えてあきらめたんだよ」
と残念がる。
「今度来る時は、ここに泊まろう!ね、そうしよう!」
そう励ます母だった。

 「ぱちん!」と冬から初春に切り換えられたような…この地、カッスルクームで、小さな愛らしい花たちに出会った。勉強不足で、植物の名前が分からない。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆☆カッスル・クームの愛らしい花たち①☆☆

2005年04月21日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 2月のコッツウォルズ。雪の丘陵地スノースヒルが白銀の世界だっただけに、正直いって花を見ることができるとは思ってもみなかったので、雪のない緑のカッスルクームに魅了されてしまった!

 ピンク、青紫、黄、赤、紫など家々を彩っているのだ。窓辺に、家の入り口に、ドアのまわりに…。思わずシャッターを切った!この国の人々のセンスの良さに脱帽!

 イギリスで最初に感動したのは、ドアの色の美しさだった。パディントンからモートン・イン・マーシュに向かう鉄道の車窓から眺めた家々のドアは、どれも建物や周りの風景と一体化しているなかに、それぞれ個性的な色合いを持っていて素晴らしかった!

 町並み全体が調和しているので、なんとも心地よいのだった。街の景観を損なわない心遣いとセンスは見習いたいと痛感!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中世にタイムスリップ★乗馬を楽しむ騎士たち(?)

2005年04月21日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 ここスタントンでは観光客も少なく、日本人は私たち以外誰一人いなかった。2月ということもあるのだろうが…。目の前に開けた景色は、安野光雅が描く中世の街そのもの…。歩を進めると、霞がしだいに晴れるように姿を現したのだった…。そこに騎士が二人?娘と中世にタイムスリップしてしまった!?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「フットパス」を楽しみ☆草葺民家に出会う

2005年04月20日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 (予告)スノースヒルから「フットパス」でスタントンへ。馬に乗り農場を駆け回る人や、旅人、犬と散歩する村人たち…。眠っているような、夢のような小さな美しい村、スタントンでの出来事。公衆トイレがない?農場を横切り、右に行くかそれと左?―など詳細は次回に紹介します…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

※ショウガくず湯&味噌汁★そしてジャッキーさんの風邪薬

2005年04月20日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 「お母さん、やめてよ!外国へ行くのに、そんなの持って行かないで!」
「え、どうして?冬のイングランドには欠かせないじゃない」
―コッツウォルズの旅を明日に控えて、荷造り中の母と娘の会話。

 それがどうだろう?イングランドに入り、2日目の夜に娘がダウン!!この国の名物ブレックファーストが食べられないのだ。1日目(モートン・イン・マーシュ)の朝はなんとか食べたが、昼時になっても食欲が出ない。2日目も、スノースヒルのB&Bでの朝食が思うように喉を通らなかったのだ。

 そんな訳で、この日は村を散歩したりして、のんびり過ごすことにした。ところが、ランチはパブでということになり、ぶらぶらと歩いて行ったものの、娘はやっぱり食欲がないというのだ。こんな時の母は、彼女に何が起きても守ることが出来るように「体力をつけておかなくちゃー」と、フィッシュ&チップスとワイン?を注文した。すごい食欲だ。

 美味しそうに食べるのを見て「ちょっとちょうだい!」と娘。少しだけ食べて、元気になったのか、「散歩がしたいよ」と。しばらくパブでのんびりしてからB&Bに戻り、オーナーにお薦めコースを尋ね、散歩を楽しむはずだったのだが…。軽く、散歩のつもりが、スタントンまで足を向けてしまう事になった。この夜、彼女は熱を出した…。

 B&Bの切り盛りをしているオーナーの奥さんに、「娘は体の具合が悪くなった」というと、とても心配して体温計を貸してくださった。「ドクターを呼びますか?」といわれたが、「熱はあるが、ゾクゾク寒気がすると言ってるし、どうも風邪らしい」というと、自家用の風邪薬をさがしてくれた。

 「お母さん!味噌汁ある?」と娘。「イギリスに来てまで日本食を食べたくない!」―そんな顔をしていたのにねぇ…。「あなた、いらないっていってたから、飲んじゃってもうないかもよ」「えぇー?」「ちょっと待って。あ!最後の1袋があった!良かったねぇ…」「うん」。
 
 「おいしかったよ!」「ショウガくず湯も飲みなさい。風邪は、食べて寝るのが一番なんだから」。風邪薬を飲ませ、タオルであたまを冷やす…。そして夜中、娘は汗をかいて熱も少し下がったようで、下着をかえてから眠りに就いた。

 前の夜、娘の朝食に消化の良いものをつくってほしいとお願いしてあったので、目玉焼きはゆで卵に、そして洋風おかゆを作ってくださった。熱も下がり、ほっと一安心!細心の心配りは、B&Bだから出来ることなのだろう。なにより、奥さんの優しさに心癒され、感謝の2日間だった。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・夢のようなスタントン

2005年04月16日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 スノースヒルのB&Bにチェックイン。オーナーのティムさんに周辺の散歩道を尋ね、昼からスタントンまで行く事にした。片道1時間ほどで行けるはずでしたが、雪が降りだして道はぬかるみ、なかなかスタントンに着きません。何度も地図で確認しながらアップダウンを繰り返し、しばらく行くとはるか遠くにスモークがかった谷の緑地が見えたのです!スノースヒルは白銀の世界で、緑が恋しくなっていたところでしたから目の前がぱあっと明るくなりました。

 でも、目には見えるものの、スタントンはまだまだ先のようで、またしばらく歩き続けました。すると民家が点在し、その先にバーが現れたのです!嬉しかった!!そこのバーに入ると、右奥に暖炉があり暖かそうです。私たちは暖炉のすぐそばのテーブル席に落ち着きました。暖炉の火が真っ赤に燃えていて、旅人や村の人たちが食事をしたり、飲んだりしていました。ここで、イギリス名物「コッテージ・パイ」を注文!煮込んだ牛ひき肉と野菜の上にマッシュポテトを乗せて焼き上げたパイは、冷えた体にとても優しく、美味しかったですよ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スノースヒル☆「ブリジット・ジョーンズの日記」

2005年04月16日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 スノーヒルスは羊の放牧とラベンダー畑があり、のどかな小さな村です。「ブリジット・ジョーンズの日記」の撮影地でもあります。ブリジットのママの家がスノースヒルだった…。そのすぐ近くにただ1軒のパブがあるのです。

 昼時ともなると、旅人や若いママ、村のお年寄りたちで賑わいます。パブは社交場でもあるのでしょう。楽しそうに食べたり、飲んだりしています。私たちもランチに出かけ、テイクアウトの王様といわれる「フイッシュ&チップス」を食べました。お皿からはみ出しそうなほど大きな白身魚のフライは、衣がサクサクッとして揚げたてをほうばるのが最高!淡白な味なのでレモンを絞っていただきました。その味わいは最高でした!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪の舞うイングランドの地へ

2005年04月16日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 2005年2月下旬。
成田からロンドン・ヒースローに飛び、高速鉄道でパディントン駅に。
そこから英国鉄道でモートン・イン・マーシュへ。

電車に乗り遅れたため、着いたのは午後7時近かっただろうか。
初めて訪れるコッツウォルズは雪が舞い、まるで絵本の世界…。
イギリスの町並みは絵のように美しかった!

雪の降る中、大きな旅行カバンをガラガラ引きながら宿に向かった。
暗くひとけの無い田舎道を歩き続けた。
やっとの思いで、B&B「ニュー・ファーム」に辿り着いた。
ほっとしたのは言うまでもない。

泊まった部屋のゴージャスさ(天蓋付きベッド)と、
翌朝の焼きたてパンの美味しさにボリュームのある朝食で、
前日の大変さは帳消しになったのだった…。 <2005-04-16>
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伝統的なイギリス料理

2005年04月15日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
 イングリッシュ・ブレックファースト=噂には聞いていましたが、そのボリューム満点の朝食に驚きました!大満足でした!初めて泊まるイギリスの宿は、モートン・イン・マーシュのB&B「ニュー・ファーム」でした。農場を経営しているオーナーの奥さんがやっている宿で、通された部屋は天蓋付きのダブルベットとシングルベットがあり、古い調度品も素敵でした。ゴージャスな気分で心地よい睡眠が得られたのはいうまでもありません。

 翌朝の朝食は、いろいろな種類のシリアル、オレンジジュース、目玉焼き、大きめのベーコン2枚、太いウインナソーセージ、焼きトマト、炒めたキノコ、紅茶かコーヒー、フルーツ(カットされたグレープフルーツ)…。パンは、バタールほど大きい焼きたて田舎パンでした。たった今、オーブンから出したばかりのほっかほっかで、ナイフで切ると湯気が出て熱さを感じるほどなんですよ。外がパリパリで内側がもっちり!もう感動です!また、食べにいきたい!!絶対に行く~。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする