風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

牧野記念庭園へ行って来ました➁企画展「MAKINO植物の肖像」

2024年04月28日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
「植物に感謝しなさい。植物がなければ人間は生きられません。植物を愛すれば、世界中から争いがなくなるでしょう」

牧野富太郎博士からのメッセージ…心に響きます。


東京都練馬区東大泉の練馬区立牧野記念庭園で企画展「 MAKINO植物の肖像 菅原一剛が写した牧野富太郎の標本」が開かれています。植物図の美しさに定評のある牧野博士が採取した標本を超高画素数カメラで撮影、世界最高峰の写真現像技術を用いて、アートの視点で捉えた写真作品が展示されています。6月30日まで。入場無料。

牧野博士は文久2年(1862年)高知の佐川村(現 高岡郡佐川町)に生まれました。幼少期より植物を愛し…その生涯を植物研究に捧げ、詳細で緻密、そして美しい植物図を描いたことで知られます。また全国各地に出掛けて採集した標本の多さにも定評があります。

発見・ 収集した標本は約40万枚、命名した植物1500種以上、研究の為に収集した書籍約4万5000冊。渋谷から練馬に移り住み、94歳で亡くなるまでの約30年をこの地で過ごしました。


生涯を植物の研究に捧げた牧野博士


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出展者の菅原氏は1960年生まれ。幼い頃から図鑑に親しみ、その縁で牧野博士を知り、高知を訪れた際に高知県立牧野植物園で牧野博士の蔵書と植物図に魅了されました。標本庫に収蔵される博士自身が作った標本に感動。生きているような生命感に心動かされ、撮影したいと希んだそうです。

彼には植物学の研究に欠かせない資料として保管される「牧野標本」の美しさを、人を撮るような眼差しで蘇らせたいという強い思いがありました。世界最高水準の超高画素数カメラを使用。さらに高度な写真現像技術を用いて生まれたのが、植物の微細な陰影までもが立体感で質感のある写真作品なのです。



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ピンクプラチナプリントで仕上げたセンダイヨシノ…春の息吹が伝わってくるよう


牧野博士が自宅の庭で採取したセンダイヨシノ(サクラ)の標本をピンクプラチナプリントという特別な技法で仕上げています。粒子が細かいプラチナを使用し、その上に金調色を施すことで特別に気品のあるピンクを生み出しました。

プラチナプリントは、写真表現への追求が生んだ世界最高峰の写真現像技術。安定性の高い金属プラチナを使用し、そのプリントは500年以上 美しい状態で保たれると実証済みの希少なプリントです。

一般的なゼラチンシルバープリント(銀塩写真)では黒のベタにしか見えない部分にも、プラチナプリントでは質感や立体感が表現できるといわれています。



同企画展のリーフレットの表紙に使用



質感と立体感が伝わってくるビロードムラサキ


妻の名前を冠したスエコザサ(寿衛子笹)


ヤマザクラ


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※「MAKINO植物の肖像」のリーフリットから抜粋。展示作品の撮影はフラッシュ不使用でOKでした。

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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
生涯を打ち籠めれること (アナザン・スター)
2024-04-28 10:18:02
こんにちは。
牧野富太郎博士の偉業も、本人の弛まぬ努力は云うまでもいなく。
陰での支えや融資がなければ、適わなかったこと。

昨年のブーム便乗り、その後への植物全て・命あるものに感謝をもててこそとも。

草を褥に。
情熱の如何が伝わります。
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Unknown (forever-green)
2024-04-28 10:35:03
ありがとうございます♪
ますます行ってみたくなりました。
スエコザサはじめて観ました。綺麗な花が咲くのですね♪
学生時代に購入した学生版牧野日本植物図鑑にはスエコザサは載って無かったのです。
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Unknown (forever-green)
2024-04-28 10:36:22
花は違いましたね!ごめんなさい
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Unknown (volvo2433)
2024-04-28 14:11:26
ユウちゃん、こんにちは。
更新ありがとうm(_ _)m
スエコザサ、ドラマでも観ました。奥さんの名前をつけるくらいに思い入れがあったんでしょうね。
私は小学生の時、図書館で牧野富太郎の伝記を読んだ記憶があります。正直、あまり興味が湧きませんでした。ですがこの年になって偉業を改めて感じています。すごいことですよね!
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Unknown (ユウ)
2024-04-28 15:49:50
こんにちは〜😄

そうなんですね。博士の強い信念とたゆまぬ努力だけでなく、奥さんはじめ、祖母や兄弟たちからの金銭面での支えがなければ頓挫していたのかもしれません。

小学校中退で博士になるなんて…頭脳明晰だったのでしょうが、それにしても凄いと思います。

「草を褥に 」 は博士をモデルに高知出身の大原富枝が書いた小説なんですね。読まれたのでしょうか。私は知りませんでした。是非読んでみたいです。

いつもありがとうありがとうございます☺️
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Unknown (ユウ)
2024-04-28 16:05:05
こんにちは〜😃
コメントありがとうございます。

学生時代にすでに学生版牧野日本植物図鑑を読んでいたのですね。そうでしたか。スエコザサは載ってていないのですね。

庭園に入って左側奥にある博士の胸像は、スエコザサに囲まれて植栽されていて、象徴的でした。

そう広くはありませんが入場無料ですし、何度も再訪したくなる庭園です。草たちが生き生きしていてほっとできる癒やしスポットと思いました。
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Unknown (ユウ)
2024-04-28 16:15:38
こんにちは〜😃

フーミンちゃんは小学生の時に牧野博士の伝記を読んでいたのね。

伝記といえば、私は紫式部を読んでいたわ。やはり小学生の時だった。祖母が隣町に用事があり、お土産に本をリクエストしたら伝記を買ってきてくれたの。藤原道長との関係はお互いに好意を持っていたような記憶が…。

話がそれてしまったけれど、偉業を成し遂げる人には素敵な物語がありますね。

フーミンちゃん
いつもありがとう☺️
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Unknown (なおとも)
2024-04-28 17:19:32
こんにちは!

素晴らしい解説を有り難うございました。是非とも行きたいと思ってしまいました。若い時、高知の牧野植物園を訪れましたが、その頃は坂本龍馬の方に興味が有り、今思うと何故もっとしっかり観賞しなかったのか後悔しています。友人が四国には数人おりますので、友に会い、再び植物園を訪ねたいと改めて思いました。

ユウさんの文章がとてもお上手で、本当に感心するばかりです。お写真も見せて頂き有り難うございました。なおとも
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Unknown (ユウ)
2024-04-29 16:56:00
なおともさん こんにちは〜😃
返信が遅くなってしまい申し訳ありません。

高知県立牧野植物園へ行かれたのですね。博士の蔵書と植物図が収蔵されていますよね。美しい植物図を見てみたいです。若い頃に高知を旅したことがあったのですが、知りませんでした。

お友達が高知にいらっしゃるのであれば、お友達と一緒に訪れるのも楽しいでしょうね。

なおともさんが子ども達に寄り添い、困っているお年寄りを助けていらっしゃるのは本当に素晴らしいです。なおともさんの温かい気持ちが伝わってきて…私まで嬉しくなります。

身に余るお言葉 ありがとうございます☺️
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Unknown (多摩爺)
2024-04-30 08:35:30
フォローしていただき、ありがとうございました。
爺さんがぼやく拙いブログですが、笑ってやっていただけたら幸甚です。
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