1970年代初め、
北海道ひとり旅をした。
近畿ツーリストの均一周遊券を使っての旅だった。
利尻島・知床半島など…結果的に最果ての地に滞在することになり、
大勢の旅人や地元の人と知り合いになった。
利尻では、ひょんなことから
民宿の手伝いをすることになった。
民宿のおじさんが猟師だったので、いつも新鮮な魚や海藻類が食卓に並んだ。
利尻昆布は全国的に出回るほど有名だとこの時に知った。
知床半島では、これまた
YHのヘルパーをすることになってしまった。
私が訪ねた時、岩尾別YHのおばあさんが入院し、おじいさんが困っているということを聞いた。
手伝える学生たちが、残って可能な限りヘルプしていた。
私は1、2泊の宿泊予定だったが…。
夕食の時に「手伝ってもらえるかな?」と言われてしまった。
大変そうな様子に、見て見ぬふりはできなくなった。
結局、周遊券を無駄にはできないので、ぎりぎり1週間手伝うことにした。
電気がなく、
ランプの生活なのだが、特別不自由は感じなかった。
夕方になると、各部屋に灯油を入れたランプを届けるのだ。
そしてまた、水道もないので、沢(?)で食器を洗ったり、洗濯をした。
ランプが灯る夕暮れ時はなんともいえない風情があった。
私の大好きな時間帯だった。
YHは、昼の間は結構自由時間があった。
ある天気のいい日、私は1人で
カムイワッカの滝に出かけてみた。
北海道・斜里町にあるカムイワッカの滝。
急な岩場を登っていくと、だんだん足元が温かくなる?
どうして?そう思いながらもどんどん登っていく。
すると、上方の滝つぼに浸かっている人たちの姿が見えた。
えー!!!
男の人は裸?うっそー。
女性もいるの?
バスタオル巻いてる?
えー?水着?
そっか、
天然の露天風呂なんだ!!?
上流の滝壺になるほど湯温は熱くなる?
滝が温泉という、なんとも野趣に富むカムイワッカの滝…。
滝が段々になっていて、
滝つぼは天然の湯船
「カムイワッカの滝の全長は、陸からでは見ることができない。
船に乗って海上からでないと駄目なんだよ」
誰かが言っていたが…。
知床が
世界遺産に登録されてからは、観光客が激増している。
そのために、落石などの危険が増しているという。
昨年から適温の滝のうち一番下「四ノ滝」の滝壺以外は立ち入り・入浴ともに禁止されてしまった。
環境保全への意識が、より必要とされるだろう。
大勢の観光客が訪れるのはいいけれど…。
美しい自然を次世代へ変わりなくいい状態でわたせるよう、大事に守り続けていかなければと痛感します。
※カムイワッカは、アイヌ語で「神の泉」というそうです。
<2006-10-19>