風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

ロンドンからパリへ

2005年09月15日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
英国の田舎、コッツウォルズに後ろ髪引ひれながら、日程通り電車でパリへ向かうことになった。まずはチッペナムから電車でパディントンまで行った。そこから、パリ北駅まで電車で行く予定だった。

出国手続きをすませたあと、時間があるので駅の構内で過ごすことになった。お土産を探したり、カフェでお茶を飲んだりした。

いつの間にか娘がクッキーを販売している売店を見つけた。さっそく購入することにしたのだが、種類が豊富で、どれも美味しそうなものだから、選ぶのに苦労(?)しているようだった。
「本当、全種類ゲットしたい」
そんな思いが彼女の顔から感じられた。
「でも、そうもいかないしねぇ~」
そう思いながら私が見守ってると、娘は迷いながらも、意を決したように何種類か選んでいたのだった。   


ヒルザキツキミソウの思い出

2005年09月13日 | 自然(花 虫 樹etc)
二十年ほど前でしょうか、
その日は小雨が降っていました。
仕事で伺ったお宅の庭にヒルザキツキミソウが群生していました。

あまりの美しさに見とれていたのでしょう…。
帰り際のことでした。
「ちょっと待ってくださいね」
そうおっしゃる奥さんの言葉に、
「え?何でしょうか」と足を止めました。

淡いピンクが優しい花束をさっと作って…。
「良かったら、どうぞ!」と。

私は彼女の粋な心に感動して…
大事に大事に抱えて帰りました。
その時、マンション住まいでしたから、
ことのほか嬉しかったのです。

あの時の彼女の笑顔と庭に咲き誇るヒルザキツキミソウを
今でもはっきりと思い出すことができます。
淡いピンクの花を見るたび、彼女の優しさがはっきり蘇るのです。

夏のなごり

2005年09月13日 | 自然(花 虫 樹etc)
朝晩ともなると、虫たちの音楽会があちこちで開かれています。
鈴虫、コオロギ、さまざまな音を奏でてくれて、
私たち人間の心を和ませてくれます。
楽しいひとときのプレゼントです。

でも、日中はまだ残暑厳しい日が続いています。
ふと空を見上げると、夏雲がまだまだ元気に動いていました。
さまざまな夏の思い出を残しながら、
ちょっぴり寂しげに なごり惜しそうに…。

足元てらす鬼灯

2005年09月13日 | 自然(花 虫 樹etc)
鬼灯、ほおずき。
お盆の前になると、先祖を迎えにお墓に行きます。
その時、懐かしい我が家に無事たどりつけるよう、
足元を照らために鬼灯をお墓にさしてくるのだそうです。

「爺々(ジイージイー)、婆々(バアーバアー)、この明かしに来んされよ~」
と言いながら、藁束に火をつけて先祖が眠るお墓で何周かします。
そして、お盆の最終日の夕方になると、
「ジイージイー、バアーバアー、この明かしに行んされよ~」
そう言って迎える時と同じようにして、先祖が無事あの世に戻れるようにするのです。

昭和の中頃まで、田舎でよく見られた風習ですが、
今でも行われているところがあるのでしょうか…。

鬼灯をお墓にさすのはよく見かけます。
日本人の優しい心が感じられて、無くしたくない風習だと思いました。

レース編みのよう…

2005年09月06日 | 自然(花 虫 樹etc)
「早起きして、日の出前に散歩でもしようかな~」
「でもだるいしな~。やっぱり寝てよう」
「朝歩くのは気持ちいいだろうな~」
「でも、体が動かないよ~」
体が半分寝ているのです。
「歩くと元気になる?」
「でも…」
「やっぱり、起きようかな~」
布団の中で一人グズグズしていたのですが、
「えいっ!思いきって起きちゃえ~」

数日前のことです。皆が寝ている早朝、お日様が出る前のかなり早い時間に散歩をしたのです。少し肌寒いけれど、風が気持ち良く清々しい気持ちになりました。何時の間にか、だるさは消えていました。もちろん、デジカメ持参です。

しばらく歩いていくと、畑の道に出ました。脇に白い花が咲いているじゃないですか。どこかで見たな~と考えていて、思い出したのです。
「dreamさんのブログだ!う~ん、何の花だっけ?」
そうだよ、カラスウリだよ!思い出しました。

不思議な花があるものだな~と、dreamさんのブログを見た時、感じました。
そしてカラスウリの花だということを知ったのですが、実物を見ることはありませんでした。

その実物の花を目の当たりにして、思わず言葉が出ました。「モチーフ編みのレースのよう…」。しばらくの間、見入ってしまいました。


紅紫色の葛花

2005年09月04日 | 自然(花 虫 樹etc)
dreamさんのブログで見た葛の花が美しかったので、実物を見たくなり、さっそく家の近くを散策してみた。一時間ほど散策したが、名前の分からない野草がけなげに咲いているのを見つけた。住宅地を少し離れると、別世界のような山林(面積的には狭い)がまだ残っているのを発見して、嬉しくなった。早朝、自然の中で秋の気配に包まれていると、心地よい風が吹き過ぎていった。

葛の花を見つけて、シャッターを切る。大きな葉の陰に花をいくつも付けていた。葛は秋の七草のひとつに数えられている。葛の根茎から採った葛粉は、高い栄養価の病人食になる。子供のころ、病気で食欲のない時によく食べさせられたのに、葛湯となぜか白桃(缶詰)があった。

そして、カワラナデシコのからからに乾いた黒い種子を煎じて飲むと、むくみの時の利尿に効果を発揮する。オミナエシの乾燥させた根は、解毒やはれもの、そして利尿。フジバカマは、蕾のうちに茎ごと採取して陰干した後、砕いて袋に入れ入浴剤に使うと皮膚のかゆみがとれる。キキョウの根を干したものは、扁桃炎、のどはれ、痛みに効果がある、という。

春、健康を願って七草を摘み、秋には、薬効のある植物が多い七草摘みをした先人たちに思いを馳せる。夏の疲れが出てくる秋に、健康を維持するために七草を摘んで備えたのだろう。その知恵には感服してしまう。

(秋の七草は、フジバカマ、尾花(ススキの穂)、ハギ、オミナエシ、キキョウ、クズ、ナデシコ)



与論島でかじるリンゴの味

2005年09月02日 | 与論島 ひとり旅
遠い昔、与論島を一人で旅した。
民宿で知り合った島のおじさんが、島内を案内してくれた。
サトウキビ畑に行き、サトウキビをかじった。
竹のようで固かったけれど、とても甘かった。

そのあと、与論の景色のいい海へ連れて行ってくれた。
サンゴ礁のかけらでできた真っ白い浜辺に着き、
波打ち際を歩いていた時のことだった。

私は、持っていたリンゴを海水で洗って食べていた。
おじさんにあげたかどうかまでは、覚えていない。
持っていたリンゴが一個だったか、二個だったのかさえ…。
ほんの少し塩味がついて、とても美味しかった。

おじさんがボソリと言った。

「島では、人が死ぬとまずは土葬にするんだ。
何年かしたら、掘り起こして、その骨をこの海の水で洗うんだよ。
それから再びお墓に納めるんだ」
「え~?ほんとう?」
 
びっくりしたのなんの…
私はすぐに言葉がでなかった。

その海水で洗って食べたんだよ~

その時、私は若かったとはいえ、心の中で叫んでしまった!!
食べちゃったよ!口に入れる前に言ってよ~!
言葉には出さなかったけれど、すごい顔をしていたと思う。

沖縄でも同じような風習があると聞いた…。
現在ではどうなのだろうか?
当時は沖縄が返還されず、与論島からあこがれの目で見ていたものだった。
今では、懐かしい思い出になってしまった。

年月を経て、今はなんともないと思えるのに…。
潔癖だったのだろうか。心の中で叫んだとはいえ―おじさん、ごめんなさい!
素敵な思い出を共有したおじさんに感謝!!