旅をして、期待はずれの風景に失望することもあるが、予想以上の景観に感激することもある。 「えりも岬」は、予想をはるかに超えた感激の地だった。 巨大な怪獣の鞍部と言った感じの「えりも岬」に着く。強風のために樹木が育たないとかで草原台地だ。
台地上の広い駐車場脇の土産店から、森進一の「襟裳岬」の歌が主題歌のように流れていた。 えりも町から、日高の通称サラブレッドロードを車で走った。草を食む褐色の競走馬と牧場の柵が、絵のような風景だった。 日高昆布で知られる三石海岸で、腰まで波に浸かりながら柄の長い鎌で昆布採りをする。漁師の家族たちの風景も豪快な絵だった。
絵・佐藤達 平成8年(1996年) 車で北海道を30回以上旅する。家・柏崎市