エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

その男、1人を嫌って、結局孤独に舞い戻る

2014-12-16 11:03:48 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 

 情緒的に0歳の大人。学校の先生、大学の先生、病院の先生してても、そういう人に少なからず出会います。

 p.89第2パラグラフ。

 

 

 

 母親なしでは生きられない人は、ひどく生きづらさを感じないで、暮らすことなどめったにありません。もしも、その人の母親が、実際、過保護な形で(多分オーバーコントロールするものでして、打つ壊しにするほどではない)、「大事にしてもらったら」、その男が、同様にお母さん無しには生きられない奥さんを見つければ、あるいは、その男の特別な才能や能力のおかげで、自分の魅力を用いて、人から称賛されれば(ときに成功した政治家に似て)、その男も、大人になることさえできずとも、対人関係の意味で「社会によく馴染む」。でもね、こんなに良い条件に恵まれなければ、そして、そっちの方がよくあるケースですが、その男の性生活は、対人関係はそうじゃなくても、ひどく失望するものになります。すなわち、このタイプの男が一人ぼっちになれば、いろんな葛藤を抱え込み、何度も強い不安に襲われ、憂鬱な気分になります。

 

 

 

 

 

 この手の男は、最終的には、孤独にさいなまれる生活になります。それはね、1人から逃げ回った末の、なれの果ての姿です。

 

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