エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#見通しと意味づけ #最初からの終末論的な意味づけ #最初と最後が一緒になる不思議

2017-10-08 01:25:57 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

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インターメッツォ: お祈りは、心を込めて対話すること
   存在の根っこ 3訂版   単独之幸福 改訂版  今日の「こころの時代 宗教・人生」で、鈴木範久先生のインタヴューが放映されました。良かったですね。......
 

 Identity and the life cycle  p.61の,第3パラグラフから。





 「第2の口の」で舞台の間に,最初の前半の舞台よりも,いっそう能動的に,いっそう直接的に取り入れるやり方で,できることや,できる喜びが育ってきます。歯も生えてきて,それに伴って,硬い物を噛んだり,硬い物を噛み砕いたり,噛み取ったりするするのも,嬉しくなります。「能動的に取り入れる」人生の習慣が(最初の取り入れる人生の習慣がそうだったみたいに),様々な他の活動の特色になります。2つの眼が,最初の舞台では,目に入ったものを受け取る受け身の人生の習慣でしたが,「第2の口の」舞台では,ぼんやりした背景から,対象に焦点を当てて,際立て,「掴み出し」,追いかけるようになります。聴覚器官も同様に,大切ないろんな音を聞き分け,その音の場所を特定し,姿勢を上手く変えるようになります(頭の向きを変え,上体を起こし,向きを変えます)。2つの腕も,思った方に伸ばすようになり,両手しっかりと掴めるようになります。ここでいっそう心惹かれるのは,この世に対して,全体的に「1つの≪究極的な≫意味にまとめ上げる」関わり方です。それは,子育て物語によく描かれているような,「特定の能力が初めて登場すること」ではありません。


 

 

 

 

 エリクソンはよく,「見る」ことにも,目に見えたものの合計以上の物事を見るとがある,というような言い方をすることがあります。それは,1つには,「見通しを持つ」,という意味ですが,もう1つは,「意味づける」ということです。この「第2の口の」舞台、最初の後半の舞台は,1歳前後でしょうけれども,この両方が出てくるわけですね。

 この2つは,非常に大切です。というのも,「口の舞台」は,最初の舞台なのに,エリクソンは,final,「究極的な」と「終末論的」な意味を読み取って,「1つの≪究極的な≫意味にまとめ上げる」関わりが,最初からある,と言うのですからね。

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