エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

仕事や研究で親がいない >>震災・空爆

2015-11-08 01:58:34 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
セルゲイ・ナルイシキン さん
  セルゲイ・ナルイシキン さん 。ご存じですか? 私は知りませんでしたね。 昨日の「クローズアップ現代」で、国谷裕子キャスターがインタヴューしていました。笑...
 

 

 

 発達トラウマのある、愛着障害の子どもは、大人を試す天才です。その手に乗って、まんまと怒ったり、否定的な言葉を言ってしまったら、「あぁ、この人も、お母さんと一緒だ」となって、安心と安全は、「この人もくれないんだぁ」となってしまって、落第・不合格…。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.212の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 

 急性期のトラウマ、たとえば、レイプされたり、事件の巻き込まれたり、自然災害にあったり、した後、親しい人、親しみのある顔、馴染んだ声が必要でしょ。タッチ、食べ物、避難所、安全地帯と睡眠時間が必要です。近くにいようと、遠くにいようと、大好きな人とやり取りのある話をすること、あるいは、安全だと感じる場所で家族や友達とできるだけすぐに再会することが、とっても大事。私どもの愛着の絆は、怖れに対して一番の守りでしょ。たとえば、トラウマになった出来事の後で両親から引き離された子どもたちは、長期間、非常に深刻な影響が残りがち。第二次世界大戦の間、イギリスで行われた研究によれば、ドイツ軍の大空襲の時にロンドンに暮らしていた子ども等で、ドイツ軍の不意の空爆から逃れるために田舎に疎開した子ども等は、そのまま両親とともに留まり、夜毎に防空壕で耐え忍び、建物が壊され、人々が殺されること想像して怯えていた子ども等よりも、遥かにまずいことになっちゃたくらい。

 

 

 

 

 

 両親から引き離されることが、空爆に夜ごと怯えていることよりも、子どもにとって悪影響があったとする研究があることは、よく分かります。東日本大震災の地震と津波よりも、仕事や研究で両親から引き離されたことの方が、遥かに深刻な愛着障害になるケースだらけだからです。

 

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