エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

市場取引 誰も損をしないようで、みんなが損する?

2014-11-07 10:52:38 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 資本主義社会では、「してもらった分をして差し上げる」、ギブ・アンド・テイク、「公平の原理」が物を言う、といいます。そのお話の続き。

 p120冒頭から。

 

 

 

 

 

 なぜこうなっちゃってるのか? それは資本主義社会の性質そのものに訳があります。資本主義前夜の社会では、商品の交換は決めたのは、直接的な暴力、伝統、人を大事にする気持ちや友情などの個人的な絆でした。資本主義では、すべてを決定する要因は、市場における交換です。商品市場を扱うのでも、労働市場を扱うのでも、サービス市場を扱うのでも、それぞれの人は、自分が売れるものを、暴力や先を使わずに、市場という条件で自分が欲しいものと交換します。

 

 

 

 

 公平の原理は、商品取引がモデルらしい。それは、市場原理でもある。市場が示す条件で、「商品」を交換するからですね。

 ですから、公平の原理はあくまで市場取引です。自分が損するようなことなど、決してしないんですね。

 

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