エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

死よりも辛い!

2016-03-13 07:54:52 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
信頼の中身が物を言う
  ルターは悪魔が大好きだった、なんてね。 Young Man Luther 『青年ルター』のp187のブランクのすぐ上、引用部から。 &n...
 

 

年寄りは、社会の悪化の影響をもろに受けやすい。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の、p.112の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

このキツイ時期の終わりにさしかかって、ちょっと引っ込んでいたい気分になるかもしれませんし、それまで属していた家族や会社を失ったり、必要とされる生き甲斐をなくした経験にだけ浸っていたい気分かもしれませんね。80、90になって、周りの忙しく立ち回る人達に、思いがけず、求められる変化に、素早く対応するだけの力も、能力も、なくなってきます。generativity ジェネラティヴィティ《異性や次世代や立場の違う人や物事と、対話とやり取りをしながら、育むこと》 は、能動的な人が、ひとりびとり、自分の人生の中心にしてきたものですが、年寄りにはもはや、必ずしも期待されません。このおかげで、年寄りは、世話焼きをしないでも済むようにますます。しかしながら、当てにされないことは、役立たずの汚名を着せられた感じがあるかもしれません。やり甲斐のあることがなければ、 stagnation スタグネイション 《異性や次世代や立場が違う人や物事と対話が出来ず、支配したり、ホッタラカシにしたりする》  感じに苛まれても、仕方ありません。もちろん、この機会を、ちょうどいいお休み、と悦ぶ人もおられることでしょう。でもね、 generativity ジェネラティヴィティ《異性や次世代や立場の違う人や物事と、対話とやり取りをしながら、育むこと》 もなければ、創造性もないし、他の人を世話することもなければ、他者を気遣うこともなければ、それは、死よりも辛いことでしょうね。

 

 

 

 

 

かくして、年寄りになれば、力はなくなりますし、素早く対応することも難しくなりますでしょ。やり甲斐に感じていた仕事や会社や家族からも、離れる方が普通ですね。

このときこそ、試されているのが、幼い頃の《私》と、不思議を感じる心、センス・オブ・ワンダーなんですね!

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