うつ病の人が、100年前の6倍になっているというのは、うつ病も社会病理の1つになっている証拠でしょう。
ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.234、第2パラグラフ、10行目途中から。
私どもが、また、この社会病理の傾向に気付いたことは、結婚と離婚のパターンが変化したこと、ロマンチックな関係に満足することが難しくなってきたと言われていること、経済的には上から下までの、いろんな家族が、仕事と家庭での暮らしのバランスをとることにもがいていることでしょう。心が健康でいるために必要なことと、現代社会が提供していることがチグハグであることが、親たちがいつも感じる不安に見られます。たとえば、インターネット、メディア、薬物、ヤクザ、ロリコン、経済的不平等、特に、これらのいろんな問題に私どもがどう応えるのかを形作る文化の価値観でしょう。右から左まで、私どもの今の生き方が健康だと信じている人は1人もいないみたいですね。それは、何が悪くて、その悪いことに対して何をすべきかについて、人それぞれで、意見の一致は見ないのですけれどもね。
今の時代は、どうでもいいところは便利になってますけれども、暮らしは人間らしいものから程遠いものになってきましたね。
ブルース・ペリー教授は、今の暮らしは不健康だと感じていても、どうすればいいのかについてはバラバラだと言います。今の社会はヴィジョンを失っている訳ですね。叡智がヴィジョンにまでなっていない段階です。
それにしても、児童精神科の医師であるブルース・ペリー教授が、文明批判をしているのですから、河合隼雄先生のようですね。
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