エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

取引はよくあることですが、所詮「一時避難所」です。

2015-07-28 08:28:02 | アイデンティティの根源

 

 悪い良心を、エリクソンは何度も取り上げますよね。それだけ、悪い良心に苦しんでいる人が多いし、エリクソンのところに治療に来る人も多かったんでしょう。

 Young Man Luther 『青年ルター』p215の3行目途中から。

 

 

 

 

 

その取引が、新たな出発のための足場が見つかるかもしれないという希望を、もたすかもしれません。あるいは、試練の時に、未知なる尺度で、辛うじて、しかし、十分に許してもらえることを証明できることに、気付くかもしれません。そうすれば、あるいは、天国に入れるかもしれません。エバッタ人なら、天国を通り過ぎるだけでしょ、と訊いたほどです。しばらくは、私どもの強迫的な几帳面さは、牙をむくことを諌め、「まもなくだから」やら、「すぐだから」やら、「ちょっとした習慣だから」やら、「全部じゃないから」やら、「そんなもんだから」やらと言って、勇気を鍛えようとします。

 

 

 

 

 この手の取引は、一時しのぎのゴマカシなことが多い。しかし、これだとね、心の声と真正面から向き合うのを避ける結果になりますから、長続きしなくて、元の木阿弥となることでしょう。

 また憂鬱に逆戻りです。

 

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