真理を知っている者は、常に上を仰ぎ見る。
関根正雄。そう言って、分かる人はどれくらいいるのでしょうか?
クリスチャンでも、神学に関心のない人には、もしかしたら、あまり知られていないのかもしれませんね。それでも、岩波書店から、文庫版で、『創世記』、『出エジプト記』、『サムエル記』、『詩編』などが出ていますから、いずれかを「読みました」と言う方もおられるやも分かりませんね。
私も最初はそんな書籍で、関根正雄先生を知るばかりでした。野村實先生同様、内村鑑三最後の弟子のお一人。時々、今井館聖書講堂での講演会などで、客席に座る関根先生をお見かけしたことはあったのですが。その業績からすると、どんな巨人かと思うのですが、実際は、とても背が低い方ですね。
その関根正雄先生も今からちょうど十二年前、2002年9月9日、亡くなられました。東京女子大学のチャペルで9月12日13日に、前夜式と告別式がそれぞれ執り行われました。昨晩(9月9日)本棚を整理していたら、その会葬礼状が出てきました。偶然じゃぁ、ない感じがしたので、このブログを書くことにしたんですね。
私は、「無教会新宿集会」の会員ではなかったのですが、この集会の会員でした依田直哉さんとは、夏の山中湖聖書講習会で、5~6年ご一緒でしたから、「無教会新宿集会」の「神学研究会」に依田さんの紹介で入会を許されました。この「神学研究会」は開会のお祈りの後、レポーターが報告し、それを受けて、参加者が話し合いの場をもち、最後に関根先生がコメントする、という形でした。そして、関根先生がお祈りして閉会。関根先生は、日本を代表する旧約学者です。しかし、真理に忠実だからでしょう。偉そうなそぶりは微塵もない、と言うのが印象でしたね。私のような若造(30代)の意見にも、熱心に耳を傾けてくださるのが、ハッキリわかりました。本物のクリスチャン、すなわち、真理に対してあくまでも謙遜な人に接するときだけに感じることができる、あの爽やかさ、あの大らかさを、そして、何よりも謙遜な態度を、関根正雄先生にも、私は強く感じたものですね。
最近関係のある、日本の大学の教員には、1人の例外を除いて、それを全く感じないものですから、ここに一筆したためました。
そして、空と一体になる。白い雲が出ても良し、黒い雲が出ても良し。
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