エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

適切な家族支援があれば,発達トラウマ障害(DTD)は減らせます

2017-03-24 07:44:29 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
「口裏合わせ=ウソとゴマカシ」は止めて、民主主義の基本の「き」の話し合いをやりましょう
   小さな存在を肯定する  一流の学者は、みずみずしい感性をお持ちですから、詩人です。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』か......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.169,第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 1970年台はじめ,心理学者のデェヴィッド・オールズはボルティモアのデイ・センターで働いていました。そこには,学齢前のたくさんの子ども達が,貧困,家庭内暴力,薬物による虐待に苦しんでいる家庭からきていました。子どもたちの,学校での様々な問題に対処するだけでは,その子どもたちの家庭の状況を解決するのには十分ではないのが分かりますから,デェヴィッド・オールズは,家庭訪問をやり出しました。そこでは,ベテランの看護士が,子ども等にとって安全で元気になる子育てができるように母親を手助けしましたし,そうするなが,自分たちの未来は明るいと思えるように手助けもしたんです。20年たつと,家庭訪問された母親の子ども達は,家庭訪問されなかった,同様な母親の集団に比べて,健康的だったばかりではなくて,虐待されたりすることも,ネグレクトされたりすることも,少なくて済んだのでした。

 

 

 

 

 

 長期にわたる研究ですね。適切な家族支援があれば,虐待やネグレクトは減らせることが解かります。

 日本では,虐待が起ってからその通報に対処するために児童相談所の体制強化の話は出るけれども,家族支援の対策,家族支援としての長時間勤務の禁止の話は全く出てきませんでしょ。

 ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・ヘックマンの主張する,学齢前の子育て環境を整えることの重要性を,日本の政治家も,マスメディアも,一般市民も,いかに無視しているかが分かりますでしょ。

 

 

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