エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

心病む人が増える時代の雰囲気

2015-04-22 07:58:56 | エリクソンの発達臨床心理

 

 器官の発達が、人間関係の発達にも繋がります。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p31の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 社会が、前性器期の諸段階の子どもが自慰やその連想をすることに対して、どのように反応するのかという特定の課題に関して、私どもは、解釈という歴史的なジレンマに直面します。というのも、精神分析家が臨床を観察することによって、前性器期の諸段階を発見することになりましたが、元来「社会」というものは、子どもの性に対して、非常に敵対的ですから、大なり小なり、強烈な抑圧をすることになりますし、ときには、すべての人を抑圧することにもなりかねないものだから、です。しかし、そのような抑圧の時代の空気が、ビクトリア期に特有のこだわりであった、と言われますし、その時代に主流の不安神経症、すなわち、ヒステリーと強迫神経症が増加する独特の背景にもなりました。

 

 

 

 

 社会が抑圧を強めますと、社会から弾き飛ばされ、差別される人が増えます。それと同時に、心を病む人も増えていきます。

 今の日本は、ますます抑圧を強めていますから、仕事を干されて、差別される人が増えます。それと同時に、今でも十分心病む人が多いのにもかかわらず、さらにいっそう、心を病む人が増えることになりますね。

 

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