エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

悪魔、登場!

2015-08-21 07:07:05 | エリクソンの発達臨床心理

 

 rejectivity リジェクティヴィティ 「大事にする相手の仲間から、仲間はずれにしたい、底意地の悪い気持ち」は、子育てから国際政治まで、非常に射程の長い課題です。

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p69の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 rejectivity リジェクティヴィティ 「大事にする相手の仲間から、仲間はずれにしたい、底意地の悪い気持ち」は、さらに、集団で発揮する場を求めて、とても広い場を探しています。(多くの場合、お隣の)集団に対する戦争と同様に、その(お隣の)集団は、自分達の仲間に脅威になりそうだと一度ならず思われるのです。これは、領土や市場を争ったからではなくて、単に、我々とは危険なほど違いそうだ、というだけのことなんですね。ですが、お互いに、危険なほど違うという気持ちを伝え合うことになりがちです。こういった世代間の諍いとrejectivity リジェクティヴィティ 「大事にする相手の仲間から、仲間はずれにしたい、底意地の悪い気持ち」は、どこにでもある人間の傾向、すなわち、「人間を上下2つに分けるウソ」と呼ばれる傾向を、固定化する生育歴上、一番強烈な重しになります。

 

 

 

 

 

 rejectivity リジェクティヴィティ 「大事にする相手の仲間から、仲間はずれにしたい、底意地の悪い気持ち」+「人間を上下2つに分けるウソ」が結び付いちゃうと、ほとんどいつも、さまざまな、強烈な人権侵害が生じます。家庭、学校、会社、地域社会、国際社会での、イジメ、ハラスメント、差別、抑圧、ヘイトスピーチ、ジェノサイド、戦争で、rejectivity リジェクティヴィティ 「大事にする相手の仲間から、仲間はずれにしたい、底意地の悪い気持ち」と「人間を上下2つに分けるウソ」とが、結びつかなかった例を知りません。

 この2つが結び付くと、それは悪魔そのものです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お前はいつも、居て欲しい時... | トップ | プロフェッショナル ルター... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿