エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#人生の実験 と #大丈夫

2019-06-12 08:54:14 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの
 
#発達トラウマ障害 #自分を感じる脳は操業停止に #オッカナイことや自分ではどうしようもないことが毎日何度も起こるから
 エリクソンの叡智: #イエス・キリスト の,#たった一つのセラピー原理    発達トラウマ障害(DTD)のご相談は,こちらへ。agape☆gmail.com ......
 

 

「発達トラウマ障害 Enpedia」  をご参照ください。

 

 ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』 は,翻訳が終わりましたが,印象的な言葉を適宜拾ってみようと思います。 

 June 06 ,2019,横浜の心理臨床学会で,Perezさんのお話を聴いた関係です。  p.219の,最後から5行目から。今朝は,p.220の,第2パラグラフ,8行目から。

 

  体感療法の治療では,今まで起きたことを物語ることは後回しにして,まず体感を探って,過去のトラウマが身体に刻み付けた傷の場所と形を見つけることを優先します。トラウマそのものに深く入り込む前に,患者さんたちは,トラウマの時に圧倒された様々な体感と様々な気持ちに安心して繋がれる道を育てる,自分の内側にある,手応えのある体感を創造する手助けをしてもらえます。ピーター・レヴィンは,このやり方を「振り子」といいます。患者さんたちは,様々な体感と様々なトラウマ記憶に,心から優しく,出たり入ったりするんです。このようにして,患者さんたちは,「我慢できる窓」を次第に広げることをて助けしてもらえます。

 患者さんたちは,トラウマのために生じる様々な体感を意識することに,一回耐えられれば,強烈な心の震えがあることが分かるんです。打っ叩きたい気持ち,押しのけたい気持ち,走り出したい気持ち。それは,トラウマを体験している間に,生き延びるために,押し殺した気持ちです。こういった心の震えが示すのは,すぐには気付かない微かな身体の動きです。例えば,身を捩ったり,クルクル回ったり,後ずさりしたり。すぐには意識できない微かな身体の動きを,ハッキリと増やして,とても良い物差しとする生き方を実験することは,トラウマのために,未完の行為となっていた「身体を動かしたい気持ち」を,成し遂げて,できた,と言える治療過程のはじめです。体感を大事にするセラピストは,患者さんを手助けして,患者さんが,自分の感じるままに動いても大丈夫かどうかの実験をしてもらって,今ここで生きている実感を感じられるようにします。

 

 

 自分が生きている実感通りに生きるのには,勇気が必要です。

 体感を大事にするセラピストは,その勇気をプレゼントします。

 すると,患者さんは,生きている実感通りに動いて,生きても,大丈夫,できた,と体感します。

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