エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

一隻眼

2014-09-12 11:37:23 | アイデンティティの根源

 意識は明晰さと温もりを与えてくれるものなんですね。そのことを毎日思い出しながら、生きていきたいものですね。

 p345第2パラグラフ。

 

 

 

 

 フロイトは、いわば、宗教的に科学的なままでしたが、それは、フロイトが自分の使命を追い求めていたからです。その使命とは、人間の強迫症状(それが「邪悪」であろうと、「病気」であろうと)を研究する本物の方法を探すことでした。フロイトが宗教的に科学的なままである間は、引用した言葉にある通り、「あなたの眼が邪であれば、あなたの体も闇で満ちる」(ルカによる福音書 第11章34節 キング・ジェームス版)と言いたげなところにだんだん近づいています。ただし、フロイトは、意識の背後の闇を追い求め続けます。それは、人間の心の中の構造的な区分を明らかにしようとしていたんです。すなわち、エゴのほかに、超自我とイドが、衝動と激情の渦巻く心の大釜なんですね。

 

 

 

 無意識の突き動かれている人生、それは、エリクソンがここに引用した聖句「あなたの眼が邪であれば、あなたの身体も闇に満ちる」がそのまま実現した感じです。そして、それはその当人が苦しむだけではなくて、その家族も苦しい思いをせざるを得ないんです。日々、様々な方の臨床をしていますと、この言葉は本当になる、アーメンなんですね。

 でもね、この聖句にはチャァーンと前段があるんです。それはね、

「あなたの眼が澄んでいれば、あなたの体は明るい」ってね。

 この「眼」(一隻眼)は全人格と人生の要ですね。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ≪約束≫に基づく遊びとその応用 | トップ | お母さんが≪約束に忠実≫です... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿