エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

毛利衛さんのお母さん

2014-06-13 10:32:29 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
その子ならではの要素とは? 感じをハッキリ言葉にすることの恵み

 解釈する際に最も大事な要素は「その子ならでは」の要素であるということでした。今日は「その子ならでは」の要素とは一体どういうことなのか、明らかになります。 「その子...
 

 今日のエリクソン。ロバートの学校の先生のお話が出てきます。この先生、お名前も分かりませんが、とってもいい先生だと今も感じますし、一年前にも感じたものでした。子どもの声にならない声を拾い上げて、それをハッキリ声に出して子どもに伝えてくれています。子どもがイメージはしていても、言葉にできずにいたことを、ハッキリ声にしてもらえば、その話し言葉は、文字通り、「いのちの言葉」になります。

 一年前にも書きましたが、「いいよ」「いいぞ」という親や教員が増えてもらいたいですね。そう言って思い出すのが、宇宙飛行士毛利衛さんのお母さんです。

 毛利さんのお母さん、「喜久の湯」という銭湯を経営していました。末っ子で生まれた衛少年、「恥ずかしがり屋で、奥手だった」と言います。その衛少年に対して、おかあさんはいつでも何度でも、「いいよ」「いいよ」と言っていたといいます。親になった毛利さんはそれがどれだけ困難を伴うことか、を良くご存じです。そんな困難を顧みず、お母さんが、いつでもなんどでも、「いいよ」「いいよ」と、子どもの感じたこと、考えたこと、やることを肯定し、肯定し続けたのです。「子どもは『自分がいいことをしたい』んですね。それが『正しかった』と言ってくれる周りの大人がいれば、自分が自信をつけて、さらに伸びていく…。小さい頃は、(お母さんは自分を)甘やかせてくれた、『いいよ、いいよ』と言ってくれたことが、何よりだったですね」と言います。それはまさに「悪い」ことにも「良い意味」を、「闇」と思えることにも、「光」を見つけ出そう、見つけ出せると、わが子を信頼すればこそでしょう。

 あっ、やっぱり「闇」の中に≪光≫を見つけ出そう、見つけ出せると信じる≪心の眼≫が最初なんですね。そんな≪心の眼≫をもって、毛利衛さんのお母さんのように、「いいよ」「いいよ」と、今日という日も、子どものことを肯定し続けたいものですね。

 

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