さっきのETV特集で「生きづらさに向き合って ~ある精神科クリニックの挑戦~」が放送されました。ご覧になりましたか? もしそうでなければ、11月21日(金曜日)の深夜12時から教育テレビで再放送がありますので、どうぞそちらを。
これは、浦河町での実践を、今札幌の病院でも実践しだした、その紹介です。あの向谷地さんたちが、浦添でしてきた「当事者研究」を札幌でも、するようになっているのですね。
「当事者研究」。私もさっきTVで見るまで、その実態はよく分かりませんでした。TVを拝見すると、そこで分かったことは、「当事者研究」は、自分と向かい合うことを支援するピアカウンセリングになっていることですね。バークレー、カリフォルニアで、主として身体障碍の人たちが思いついた「助け合い」のやり方です。
それは自分の病気、自分の苦労と向き合うことから始めます。でも、既存の病名の枠組みでは収めない。自分で自分の「病名」を名付けることから始まります。自分と向かい合うことなしに、自分で自分の「病気」、自分の「苦労」をコントロールすることなどできないからですね。その「病気」も「苦労」も自分自身の大事な一部なのですから、名付けてハッキリさせることが大事です。
ピアカウンセリングは、同じ課題、近い課題で苦しんでいる人と、自分の弱さを共有することになります。ですが、自分の「弱さ」を出すためには、聴いてくださる人に対する信頼がなければ出せませんね。聴いてくださる人が「弱さも聴く耳」を持ってないと、話せません。金森俊朗さんの実践とも共通しますでしょ。
そこに参集する人は、みなさん、心の病という弱さがありますね。みんな苦しんでいます。ですから、人の弱さにも敏感でしょ。そこに「共感 sympathy」が生まれます。「共感 sympaty」とは「共に苦しみを分かち合う」ということでしたね。ですから、この「弱さを聴く耳」はこの ≪「弱さ」の自覚≫ にあるのですね。
循環論法のようで申し訳ありませんが、その≪「弱さ」の自覚≫を身に着けるためには、自分と向かい合う内省、自己内対話か必要です。自己内対話をしている人が、初めて身近な人が自己内対話をすることの手助けができる訳です。
向谷地さんたちの実践は、そのことをまた私に教えてくれましたね。
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