中世のカトリック教会には、さまざまな伝説が出来上がっていたらしい。
Young Man Luther 『青年ルター』のp188の第4パラグラフから。まだまだ、ホイジンガの引用の続き。
アラン・ド・ラ・ロッシェが描く天国のシンボリズムが、作り物に見えるのに対して、地獄の絵が、ゾッとするほど現実味があります。アランは、様々な罪を代表する動物が、馬鹿でかい生殖器を持ち、口から炎を吐き出して、その煙で大地にボウッと霞をかけているのが分かります。アランは、背信の遊び女が、背信者を生むのを見ますし、その背信者を貪っては、吐き出すは、母親のごとく、その背信者にキスをするは、優しくなでるは する姿も見ます。
中世のカトリック教会は自罰的であり、他罰的だったのでしょう。このアランの絵を見れば分かります。地獄の方が天国よりも、はるかにリアルだったのは、その証拠です。人は、往々にして、地獄の方がリアルに感じるのは、中世のお話という訳ではなくて、今の日本でも多数派です。「自己責任論」などは、その典型でしょう。
何故なんでしょうか?
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