エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

自由になるための「意識」

2014-08-26 06:32:08 | エリクソンの発達臨床心理

 


人間が自由になる場

2013-08-26 03:20:46 | エリクソンの発達臨床心理

 夢はその聴き手のヴィジョンに影響されることがある、勝手気ままに見ていると思われる夢にさえ、この様な秩序があるというのも、実に不思議なことです。

 

精神分析の場が、 人間が自由になるための場です。人間が支配されるものは、少なくとも2つあります。それは、無意識他者(権力)です。精神分析(心理療法)は、クライアントに、自分で自分をコントロールする自由・ゆとりを持つ場を提供することによって、クライアント自らが、無意識に支配されている状態から自由になるものなのです。


 私どもは、自由が好きですね。でも、自由と言っても、それは勝手気ままとは全く異なるものです。

 自由とは、フランス革命の時のキャッチコピー「自由・平等・博愛」の最初の「自由」。加藤周一さんも繰り返しおっしゃっているように、この「自由」は基本的人権で一番大事なものなんですね。ですから、この「自由」は、私どもひとりびとりが、「人間らしい暮らし」を実現するための自由、ということです。

 じゃぁ、どうすれば、私どもは自由になれるのか?

 それは、ハッキリとした意識を持つことです。自由になるためには、照度も輝度も高い意識を持つことが必要です。現実をハッキリと意識し、ヴィジョンに対する見通しもハッキリと意識し、この現実とヴィジョンを、行きつ戻りつ、今日という≪いまここ≫を生きるのですね。

 そこで大事なのが、無意識と権力ですね。無意識と権力が、「人間らしい暮らし」を破壊する二大巨頭、二大悪だからです。ですから、私どもは、無意識と権力がやっていることを、ハッキリ見てやることです。見張り、ウォッチングですね。そして、無意識に対しては意識化を、権力に対しては、明確な批判をしていくのです。

 これは簡単なようで、実に私どもに相当なエネルギーを求めるものですから、こちらも日々やる気になって取り組まなくちゃぁなりません。

 しかし、考えてみれば、それは、私どもの次の世代に対して、「人間らしい暮らし」という最も尊いあり方をプレゼントすることになるのですから、それだけ「遣り甲斐」のあることでもある、と言えるでしょうね。

 

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