オッカムがルターの先駆けになつた、というのはちょっと驚きでした。皆さんはどうでしょうか? 常識だったりして…。
Young Man Luther 『青年ルター』p191の12行目途中から。
しかし、オッカムは、実際は実用主義的な思想家でした。ルターの鼻の良さは、オッカムの実際的な懐疑論をよしとしたけれども、縦の関係は横の関係とは似ても似つかないとしたのは、オッカムが論証したことでした。その論証こそは、ルターが関心したことでした。オッカムが示したことは、信頼は、個人の経験としては、カテドラルの建物の中や、上下の社会階層ので失われてきたし、生活の儀式の中や、思想が定式化されるなかでも、失われてきた、ということです。予測可能な縦の関係を、秩序だった横の関係の中に位置付けたいとする夢のために、一番深い信頼を持つ人々を見捨てましたし、信頼を失った人々が、当時圧倒的な危険に晒されました。
ちょっと最後の件が分かりにくいんですが、オッカム以前のカトリック思想なんでしょうね。なんせ、オッカムは縦の関係は横の関係とは似ても似つかない、と主張しているわけですからね。カテドラルに行けば、救われると思っていた人にとっては、それ自体衝撃だったでしょう。しかし、この縦の関係を横の関係から峻別することから、ルターは出発したのでした。
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