フロイトの考え方が広まった背景に、19世紀に資本主義の精神が変質し、倹約重視の考え方が衰退し、消費重視、浪費重視の考え方が広まっていたことがある、と言うのが、フロムの鋭い指摘です。なんでも、モノ、モノ、の時代がその時点ですでに始まってたんですね。
p86の第二パラグラフ。
興味深いのは、フロイトのもろもろの概念と、最も聡明な、現代の精神分析家のお一人、故H.S.サリヴァンのもろもろの理論的概念を比べてみることです。そのフロイトのいろんな概念は、かつて存在していたけれども、今世紀初めには、完全にはなくなってはいなかった、資本主義の精神に対応していました。サリヴァンの精神分析の体系では、フロイトの体系とは対照的に、セックスをすることと、人を大事にすることをハッキリと区別していることが分かります。
さすがサリヴァン先生、自分がよって立つ精神分析に完全には依存していなかったんですね。セッスクすることと、人を大事にすることを ハッキリ区別するという、今となっては当たり前のことを、ハッキリと認識していたんですね。これは、そんなに簡単なことではないと私は考えますよ。
「関与しながらの観察」で有名なサリヴァン先生。セックスをする時の関係と、人を大事にする時の関係に、ハッキリと区別できる関係があることに気づいたんですね。それがいったい何だったのか?
今後の展開が愉しみ~!
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