エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

「買い物依存」etc. はこうして生まれる。

2014-12-08 13:53:19 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 モノ、カネさえあれば幸せなはずなのに、実際は…。

 p85下から2行目途中から。

 

 

 

 

 

しかし、フロイトの考えが広まったのは、第一次大戦の後からで、資本主義の精神が変わったからでした。その変化とは、倹約を強調することから、消費を強調するものへと、経済的な成功の手段としての欲求不満から、かつてないくらい拡大した市場の基礎としての消費へ、不安で機械仕掛けとなった個人を満足させるものとしての消費へと変わったんですね。どんな欲望でも満たすことを後回しにしないことが、セックスをする主たる傾向になりましたね。またそれが、あらゆるモノを消費することの主な傾向にもなっちゃってますね。

 

 

 

 

 資本主義の精神は、マックス・ウェーバーが、かの著名な著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 』(岩波文庫、1989)で明確に述べている通り、神の栄光のために富を得ることにあるのであって、自分がその富を浪費するためではなかった。内村鑑三の最後の弟子のお一人、大塚久雄先生が生涯を掛けて、翻訳した本で、教えていただきました。しかし、資本主義が自動的に動くようになると、そのプロテスタンティズムの倫理は忘れ去って、富のために富を、自分のために富を、求めるようになっちゃったんですね。

 そのナレの果てが、不安を解消するための、依存症的消費、踊らされてする消費です。

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