エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

「出す」のにも、いろんな「出す」がある

2015-05-04 07:24:08 | エリクソンの発達臨床心理

 

 筋肉と心と対人関係は、似ている。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p36の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 代わる代わる「ガマン」と「出す」という単純にして機能的なことに関して言えば、お尻の舞台を支配し、お尻を戦場にもするかもしれない「ガマン」と「出す」というやり方をバカにする文化もありますよ。そういう文化が持つ「もっと欲しい」ということがその文化のエートス、倫理の中心になるでしょう。さらに発達する際、このような「我慢する」ことに関するやり方は、破壊的で残忍なガマンやら圧力にもなりうるし、かたや、世話をするパターン、すなわち、捕まえ胸に抱くのに役立つ場合だってありますでしょ。「出す」のでも、同様に、破壊的な力を、敵をやっつけるように発揮することにもなりますし、「大目に見る」だとか、「放っておく」だとかといった、肩の力を抜いたものになる場合もありますね。その間に、挫かれる感じも(あまりにも多くの二重の意味がありますし、躾をし過ぎる場合と、躾をしなさすぎる場合とがあります)深い恥と深い疑惑をもたらす場合もあります。それは、「思った通りにできた」と感じる場合もあれば、「望んだことをしたまでだ」と感じる場合もあるのにもかかわらず、です。

 

 

 

 

 お尻の働き、我慢すると出す。この括約筋の2つのやり方もが、まさか、心の動きにも、対人関係のあり方にもなる、とはなかなか気づきませんね。でも、それと分かると、非常に面白いし、自分や人の心の動きも、リアルに理解することができますでしょ。

 

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