エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

遊びに現れる、子どもの最初の人間関係と子どもの自由な物語

2013-06-07 04:18:55 | エリクソンの発達臨床心理
 積み木遊びが子どもの心を映し出す鑑の働きをするものとして紹介されました。日本では、世界技法を発展させた箱庭療法が主流ですから、このエリクソンの積み木遊びをしている人を、私は寡聞にして知りません。しかし、子どもが心を映し出す鑑の働きをしている点で、積み木遊びから学ぶことは、実に深いと言えるでしょう。






 換言すれば、既に完成し過ぎているおもちゃの「世界」(お家たち、木々、塀たち、それに、人々、乗り物たち、動物たち)と向かい合って、子ども達は、どうしたらおもちゃをうまく並べられるか、僕知ってるもん、と最も熱心に物語っているように見えます。検査と同様、子どもたちの動きは第一に、子どもたちが一つの分類された宇宙を秩序立てる知的能力があること(あるいは、ないこと)を反映しています。検査と比べると、ここに用意した目録には、小さな人形たちに加えて、ある程度の数の小さな純然たる積み木が示されます。その積み木は、私どもの教示によって、その子が身の回りの空間を最初からある形に組み立てる気になってもらってから、自由に、そして、楽に話す気にもなってもらうことを願って示されるのです





 積み木遊びは、ミニチュアのおもちゃ以外に積み木、ブロックが用意されるようですね。そこが世界技法や箱庭と異なるところです。だからこそ、「積み木遊び」なのでしょう。しかし、その積み木、ブロックは、子どもが自分の身の回りの空間を積み木によって作り出して、その自分の身の回りの空間について、自由に、そして、楽に話をするためにあることがミソですね。この点は、世界技法や箱庭と同様と考えられます。いや、むしろ、積み木、ブロックによって、自分の身の回りの世界をいっそう作り出しやすいと考えられるので、エリクソンの「積み木遊び」は世界技法や箱庭以上に自由度が高い、と言えるかもしれませんね。また、この「積み木遊び」は、積み木、ブロックを用いて、身の回りの空間を最初からある形、すなわち、人間関係の元型にして組み立てる点が最大の特色と言えるかもしれません。でも、子どもが積み木で最初からある空間の形、人間関係の元型を作るのは、なぜなんでしょう?
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