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発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.158の、ブランクから。
DSMの診断基準として認められることの力
1970年代になっても、何十万にもなるヴェトナム帰還兵の退役軍人たちの幅広いいろんな症状を分類する方法がありませんでした。拙著の初めの数章で見てきましたように、こういったことでは、医者たちは、患者さんにその場しのぎの治療を強いられ、実際に効果がある治療法を体系的に研究できませんでした。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断が、1980年にDSM-Ⅲに採用されたおかげで、実証的研究が拡大し、効果的な治療法も発展しました。その治療法は、戦闘に参加した退役軍人に効果があるだけではなくて、いろんなトラウマになる出来事、レイプ、性的虐待、自動車事故などの犠牲者らにも効果があることが解かりました。特定の診断をすることが広い範囲で効果がある例は、2007年から2010年の間に、国防省が27億ドル以上の予算を使って、戦闘に参加したことがある退役軍人のPTSDの治療と研究をしたけれども、2009年度だけでも、退役軍人省が2450万ドルも予算を、家庭で生じたPTSDの治療と研究にも使ったことです。
DSMというのは、予定していた想定以上の評価が生じて、医師の診断に役立つものとされるだけではなく、医療保険の支払いや国の予算にも影響するようになってしまった訳ですね。
でも、そのおかげで、今まで顧みられず、予算もつかなかった、家庭で生じるPTSDの治療と研究にも、予算がつくようになったようですね。
DSMの診断基準として認められることには、こんなに力があんですね。
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