エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: なぜ,発達トラウマ障害(DTD)は,ニッポンでは,年齢と共に重度化するのか?

2017-04-14 05:40:31 | 間奏曲

 

 

 

 
発達トラウマ障害が重いと、日常生活もままならない
 ティク・ナット・ハーンさんのはインドフルネスは、発達トラウマ障害の治療に役立ちます。同じ息を扱ってても、あの無知で無恥な「専門家」の息とは、天地の差があります。 ......
 


 名古屋大生のブログが,まだまだ一位を占めます。

 そこで,発達トラウマ障害(DTD)の子どもが,小学生よりも,中学生の方が重たく,中学生よりも,高校生が重たくなっている現状を,再度考えてみたいと思います。

 ニッポンで,発達トラウマ障害(DTD)の子どもが多く,発達トラウマ障害(DTD)がパンデミック(大流行)になっているのは,親達,特に,母親たちが低賃金・長時間労働であるために,子どものとって最も大事な0歳,1歳の時に,母親とゆったりとやり取りを繰返す温もりのある時間が,極端に少ないから,です。

 でも,治療や教育がキチンとされれば,善いのですが,発達トラウマ障害(DTD)の場合,そもそも,DSM-Ⅴに,発達トラウマ障害(DTD)が入っていないので,発達トラウマ障害(DTD)と診断してもらえません。だいたい,発達障害,例えば,ADHD,自閉症,と言われたり,うつ病,起立性障害,PTSDと誤診されています。児童精神科医でさえ,発達トラウマ障害(DTD)を知らない人が多いからです。そこで,間違った投薬治療が続くことになります。

 保育所,小学校,中学校でも,その子が発達トラウマ障害(DTD)とは分かりません。ニッポンの学校は,権威主義的な,エバル大人の集団であることが一般的自信のない大人が教員になっていることが普通ですから,弱い立場の子どもに「正しいこと」例えば,時間割,校則,教室に居ることを強制することが、毎日の関わりになってしまいます。安心・安全を感じにくい脳に発達トラウマ障害(DTD)の子どもがなっていることに対する理解が,保育士にも教員にもないので,アメリカ精神医学界,アメリカ子ども虐待専門家協会が「禁忌」としている,「正しいこと」を強制される関わりを,保育所でも,小学校でも,中学校でも,…発達トラウマ障害(DTD)の子ども等は,強いられてしまいます。ですから,小学生でも発達トラウマ障害(DTD)が重たい子どもが多いのに,高校生くらいになると,もう発達トラウマ障害(DTD)が、いっそう重度化して,摂食障害,うつ病,統合失調症,抜毛症…と他の精神疾患を併発することになっている場合が非常に多いんです。

 達トラウマ障害(DTD)のことを知っている,例外的な精神科医の,福井大の友田明美さんにしても,DSM-Ⅴに発達トラウマ障害(DTD)の病名が入っていないために,発達トラウマ障害(DTD)ということを憚っているきらいがありますね。しかも,発達トラウマ障害(DTD)は,「普通の暮らし」「普通の働き方」をしている大人の子どもにもなることを明確には言いません。ニッポンが「病んで不毛な社会」(impoverished society)という認識がありませんから,人におせっかいを勧めても,労働政策,学校制度,医療制度,公衆衛生制度など,多岐にわたる改革がなくてもならないという,革命にも近い社会改革がなければ,発達トラウマ障害(DTD)を防げない,ということは言いません

 さらには,津久井やまゆり園の事件,名古屋大生の事件,秋葉原殺傷事件,釧路イオンモール殺傷事件などの「犯人」が,発達トラウマ障害(DTD)と言う人もいません。重度化した発達トラウマ障害(DTD)の子どもの中には,例外的に重大犯罪に走る人がいるのです。でも,重度化した発達トラウマ障害(DTD)の人は,引きこもりやニート,自殺,あるいは,事故死のようで実は自殺というケースになっている場合の方が,遥かに多いんです。

 ですから,発達トラウマ障害(DTD)の予防と治療のために,私ども日本人は,待ったなしの社会改革をして行かなければならない危機的時期なんですよね。

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